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TV映画(←既に死語かも?)の翻訳作家だった額田やえ子さんの本である
古い本(1979年版)で、今までなかなか手に入らず、ずーっと探していた本をやっと中古で発見し、念願叶ってやっと手に入れることが出来た(^-^)
今も復刊ドットコムでは地道に復刊を待っている作品である
中古とはいえ値段はやや高め(980円が1200円)だったが、中公文庫版ではなく、先に出た方のジャパンタイムス版だったし、初版の割に保存も綺麗だったので、充分満足である

小さい頃から海外物番組が好きで、夜中までTVにかじりついていた
「刑事コロンボ」「刑事コジャック」。。。あと、私は見ていないのだが、オールドファンなら「逃亡者」「コンバット」「鬼警部アイアンサイド」も懐かしいだろう

勿論「うちのカミさんが。。。」が一番有名だったのは当然としても、この本が出版された後で言うと、「大草原の小さな家」から「こちらブルームーン探偵社」「特捜刑事マイアミバイス」などなど。そして大好きな「シャーロック・ホームズの事件簿」「ジェシカおばさんの事件簿」もそうだし、毛色の変わったところでは「ツイン・ピークス」も彼女が手がけていたのだった
まあもっともっとあるのだが、キリがないのでこの辺で(^^;;)

私には英語の翻訳内容の程度はよく判らないし、今では使わないような古い言葉もきっとあるだろうけれども、額田さんの訳でずーっと楽しませて貰ったことは刷り込みになっていて、既に頭にこびりついてしまっている
DVD版やビデオ版で、ついつい日本語吹き替え版が見たいと思ってしまうのは、各名声優さんの技量と額田さんのおかげだろう
英語が判る人でも「吹き替え希望」と言わせてしまう力が、彼らにはあったんだと、そう思う
コロンボの方がコジャックよりセリフが長いのは、ピーター・フォークの方がテリー・サバラスより話すテンポがゆるやかなためなんだそうだ
TV翻訳の場合、セリフを口パクに合わせるのもかなり大事なんだとか
原文とコジャック/コロンボの比較が色々と載っていて、これがまた面白い
まったく同じ言葉なのに、訳はまったく違うのだ
さすが〜というため息と同時に、小池さんと森山さんの声で自動再生されてしまう気がするのも、まことに素晴らしい(^-^)
余談になるが、額田さんによれば、カミさんという言葉は江戸時代から生き続けている言葉なんだそうだ

TV翻訳が多く、映画翻訳の方はあまり手がけていないようだが、レジナルド・ヒルの「12人の怒れる男」は彼女の翻訳らしい(私は未読だが。。。)
昭和一桁代のお生まれで、2002年4月9日に亡くなられたそうである
ご冥福をお祈りしたい