陰陽師ファンには懐かしい、幼少時の晴明が百鬼夜行に遭遇した所から話が始まる
珍しく上下巻であり、ご本人曰く「生成り姫より長い長編が書きたくて書いた」そうな
でも冗長の感はまったくない
お馴染みの源博雅や蘆屋道満も勿論いっぱい登場する
章ごとに短いエピソードが入り、だんだんと筋が読めてくる
貘さんは短い会話や擬音を上手く連ねて雰囲気を出すのが上手い
本の半分の更に下半分は空白なのである
おかげで本の厚みより遙かに早く読了してしまうことになる
でもその空いている空間の上で、長文を連ねなくても、あやかしの登場する感じやその場の空気など、微妙な怪しい空間の雰囲気を見事に描き出してくれるから、不思議なものである
今回もあっという間に読み終わってしまい、ちょっと残念に思った

野生化した庭を眺めながら、ひょっこり徒でやってきた博雅とともに、ほろほろと酒を飲み交わす場面が、また早く読みたいものである