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今年も爽香の季節がやって来た
爽香もとうとう33歳
なんとシリーズ19巻目である
当初は25歳位、つまり10年で止めると言っていたことを思うと、ほぼ倍近くになってしまった
長いような短いような・・・
赤川次郎の小説は、幽霊シリーズや泥棒シリーズ、三姉妹探偵団や三毛猫ホームズ、吸血鬼シリーズなどなど、以前は結構読んでいたのだが、今でも読み続けているのは、この爽香シリーズだけである
このシリーズは、他のシリーズとは大きく異なり、年に一回の割合で刊行され、時の経過と共に、登場人物達も必ず1つ年を取る設定になっている
これだけ長く付き合うと、今後の登場人物達の行く末がどうしても気にかかるし、ここまで来たら、やはり最後まで見届けなくては、というような、責任というか使命のようなものを感じてしまっているのは確かである
来年は20年、節目の年である
今回の登場人物にも色々な含みがあったことだし、次回がどんな展開になるのか、来年の秋がまた非常に楽しみである
主人公はごく普通の民間人の女性で、警察関係者じゃないので、これだけ長く続くと、殺人事件への関与方法には多少の無理矢理感があったりするのだが
事件を通して、もしくは事件以外で、主人公や登場人物達が一生懸命に生きて、成長して、失敗して、それぞれの問題で悩んで行く姿が、毎回かなり丁寧に描きこまれているので、ぜひそこをこそ楽しんで欲しい

殺人以外に起こる問題は、現代の様々なトラブルの縮図でもあり、シリーズ物の赤川作品にしては、かなりシビアな内容になっている
赤川作品として、特にユーモア部分を楽しみたい人には、最初の数巻以外は正直勧められない
感想をストレートに書いてしまうと思いっきりネタばれてしまうし、やはり順序が非常に問題になるので、興味のある方は、なるべく1巻から順を追って読むことをお薦めする