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一番大好きなSF作家の名作短編集が、本当に久し振りに新装版として本屋に並んでいる
彼が亡くなって早20年……これが喜ばずにいられようか!
勿論、彼の本で集められるモノは殆ど持ってはいるが、嬉しくって、またまた買ってしまった
どうやら早川名作セレクションとして、活字が少々大きくなって復活したらしいが、訳者は変わらず伊藤典夫氏で、あとがきも当時のままに載っている、とてもとても嬉しい
残念ながら『たんぽぽ娘』は載っていないものの、この短編集も傑作なのである
ヤングの作品はロマンチックSFという分類で呼ばれることが多く、ハードSFファンなどからはくそみそにけなされることも多々あったようだが(そんな奴らに批評されてもでもないが)、伊藤典夫氏のような正統派の熱心なファンをはじめとして、今でも変わらない根強いファンがいることは確かである
SFなのに懐かしい−ある意味、オードリー・ヘプバーン映画のような、古き良き時代を感じさせてくれる作品なのである
ブラッドベリやジャック・フィニイが好きな人とか、ハインラインの『夏への扉』や梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』や、竹宮恵子の『私を月まで連れてって!』が好きな人なら、ぜひぜひこの機会に一読することをお薦めする
勿論、大原まり子の『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』ファンの方も!
ヤングは短編の名手だったが、他の作品は残念ながら、あとは『ピーナッツバター作戦』しかなく、残りは単行本としてまとまっていない
肝心の『たんぽぽ娘』は、コバルト文庫の絶版アンソロジー『たんぽぽ娘』や、その他の絶版本『海外ロマンチックSF傑作選2』などに入っていたため、この短編集には残念ながら収録されていないのだ(T-T)
他にもまだまだ伊藤典夫さんや深町眞理子さんが訳している名小品が残っているので、『たんぽぽ娘』を核に、ぜひ残りの作品も短編集としてまとめて貰えないものか……と、長〜〜〜い間願い続けている

『おとといは兎をみたわ。きのうは鹿、今日はあなた』

あの、あまりにも有名なフレーズだけを知っている人もいるかもしれない
たんぽぽ娘が、ヤングだけの短編集としてまとまることを切に祈るものである