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千葉さんが日本の東西をかけまわって腱鞘炎になりながら書きあげたという最新作だ
表紙の赤が目を惹く装丁で、本の内容ともとてもあっていて良い取り合わせだと思った
素人には敷居が高いと思われている、骨董屋の世界
その中で活躍する女性十名のインタビューが主体だが、千葉さんと店主との交流部分も良い味を出していると思う
骨董に関する蘊蓄の殆どが判らなくても、文章からわき上がってくる女主人と千葉さんの「古いものへの愛情や想い」のような、一種独特の雰囲気が非常に心地よかった
個人的には特に古書店に惹かれたので、そのうち機会があったら行ってみようかと思っている
古美術や骨董などの「古くて美しいもの」を自分で選んで側に置くという行為は、個人レベルの文化の継承であり、自己表現の一部だと思うが、特に骨董というジャンルは、全てが言い値で、ガセも多い世界である
良品を探し出す選択眼には、素養と経験が必須スキルと言えようし、それは一朝一夕に獲得できるものではないだろう
心地よいと思える「文化」を身近なものとして使いこなすことが出来るようになったら、自分も大人の仲間入りが出来るかもしれない
そう思った