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去年お亡くなりになったため、絶筆ではないものの、最後の文庫化作品らしい
山本直純さん亡き今、同門で現役なのは小澤さんだけとなった模様
何だか将来が侘びしいような…
今回はテーマが明白で短編仕立てになっていたせいか、今までにも増して、面白かった
音楽のトリビアネタも満載である
和田さんのイラストもまた良い
文庫版の表紙なども本全体の内容を示しているようで、さすが和田さんという感じであった
にしても、やはり岩城さんはあまりにも強烈というか個性が強いというかユニークというか……普通こんなこと内心思っても書かないだろうということをガンガン書きまくる
どこまでが本当で、どこからがネタなのかと真剣に疑いたくなるようなネタばかりである
「どんなに変態でも音楽(の素晴らしさ)で帳消し」と曰った某キャラのセリフを思い出す
軽妙な語り口とはいえ、容赦なくこき下ろされた人々は本当にお気の毒なのだが、当の本人はどこ吹く風である
昔堅気の「ガクタイ」の精神を強烈に感じさせてくれた、貴重な人であったのに……

鬼籍に入った方への哀悼と敬意を表したい