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ラドラムがなくなってはや6年
享年は73だったというのに、まだ長編の遺作が残っていたというのも凄い
また、今時の舞台装置(インターネットやIT事情とか銃器類の話とかとか)にそこそこ通じていたというのも、リサーチはあったにせよ、たいしたものである
新潮文庫で『暗殺者』の山本光伸さんが訳していたことも大きいが、彼があとがきでこの作品を褒めていたことと、「最高傑作である『暗殺者』−ボーン・アイデンティティ−を越える謀略巨編の最高傑作」という帯宣伝に期待して購入した
主人公が猪突猛進型だし、女性は相変わらず典型的なタイプだし、ぶっちゃけ冗長な箇所も散見されたものの、圧巻のラストというのは宣伝通りであった
久し振りにラドラムらしい作品が読めたといえよう