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「常野物語」がやっと文庫に!
ということで喜び勇んでゲト。
表紙が違うと印象も随分と変わるものである。
久しぶりにさくっと読んでみたが、やはりこのお話は良い。
不思議な力とか能力とかはさておき、時代風景や人々の想いなどが、なんともじわりと心に沁みて、ほう、とため息をついたりする。
今はもうとうに消えてしまった、懐かしい時代の懐かしさを感じる、そんな人達が登場する、そんな物語である。
−それだけの価値のある国なのかどうかを彼に尋ねてみたいのです。
第二次世界大戦が終了した後の、峰子の言葉が胸に重くずしんと突き刺さる。