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「ゆめの底」で岩岡ワールドにはまって、全巻大人買いしたが、こういうSFって良いなぁ。。。と、しみじみ。
地球全体が自然保護区域となり、地上に降りることが許されなくなった時代。地上35,000メートルの上空で、中学卒業と同時に窓拭きの職に就いた少年ミツ。ミツの父も同じ窓拭きの仕事をしていたが、ミツが幼い頃、作業中に事故死してしまう。ミツは父の同僚達に世話になりながら成長し、職を得て、個としての自立を目指して成長中−−−という感じで、お話は続いて行く。
昔でいうと、萩尾望都さんあたりがやりそうな作品という感じもしたり。
彼女の良さは色々あるが、日本橋ヨヲコさんの推薦文「神様、願わくば、この柔らかな核(コア)に花束を」というセリフがまさにどんぴしゃという感じがする。
彼女の作品を読むと、暖かくてフワフワな何かを感じることが出来る気がして、読後にほっこりと心が温かくなるのだった。
ほこほことは関係ないが、会話に関係のない部分で、キャラたちが繰り広げる独特のそぶり(シュシュシュ、とか、シャー!とか)が大好きなのだが、それは自分がよく似たようなことを言ったりやったりしているからかもしれない。
現代に宮沢賢治がいたら、この作品をどう思うだろうか、なんて、ちょっと思った。