4
祝、文庫化!ということで購入。
密林に画像がなく、単行本版を借用した。
服飾関係の職につけず、仕方なくファミレスでバイトする21歳の久里子と、ファミレスでいつも同じ席に座る国枝老人は、近所の公園の知り合い同志だった。老人は周囲から少し痴呆の気がある老人と思われていたが、久里子と公園のベンチで話すときだけは賢者に変わり、久里子の様々な疑問を解決に導くのだった−というお話。
「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」という宣伝文句の通り、事件は遠くの他人事ではなく、身近な場所にも転がっていて、いつ飛び掛ってくるやもしれない。とはいえ、そうは言っても、そういう人間だってまだ捨てたもんじゃないんだよ、というような善意の部分も出てきたりして、読後感は悪くなく、最後はほっこりして終了した。
次作はなさそうなのが、ちょっと残念。