湯宿さか本は、石川県珠洲市にあり、なんにもないのがウリの民宿である。元々は湯治場だったそうな。今の湯舟は贅沢にも輪島塗りで、濃い朱塗りの立派なものだったが、湯船から窓の外を見ると、青々とした竹林が広がっていた。
周囲には民家も何もなく、食事場所の部屋からも自家菜園と森しか見えない。人工的な音はせず、鳥と蛙とセミの声が聞こえるばかり。
携帯が3本たったのが驚きで、初めて行くのに懐かしいという感じのお宿であった。

湯宿さか本入り口はこちら。
昔の家屋の資材と宿主の希望を元に、建築家が試行錯誤の後しつらえたという、特にどこ風というモノでもない建て物。強いて言えば和風、か。

愛犬の豆柴門番の豆柴くん。庭を散歩しに行くと、つかず離れず付いてくる。とはいえ、触ろうとすると逃げ、ちょっと離れたところから眺めては、また近付いてくる。以前、誰かに苛められた風なのが少々気になったりも。

愛犬のレトリバー愛犬のレトリバー君。日長一日寝ているようだったが、侵入者が来ると立ち上がって吠えていたので、番犬の役割は十分果している模様。
もっとも、お気に入りの人が来ても吠えていたようだったがw。

食事はこちらで食事や休憩はこちらで。
腰痛の身にはちと厳しかったが、それさえなければ非常に居心地の良い居間的空間だった。本棚や薪ストーブもあったが、冬は寒いのでお休みするとのこと。納得。

廊下と階段食事場所から廊下を望む。
左の階段を上がると部屋である。
スリッパ等はないし板張りなので、やはりここは裸足でペタペタ歩くのが正解ではないかと。(靴下でいるとすべって転ぶかもだし)

部屋は布団引いたら一杯というサイズで部屋は布団引いたら一杯というサイズで天井も低いのだが、風がよく通り、とても過ごしやすかった。しゃり感のある麻入りの寝具類は、子供の頃の親戚の家を思い出したり。勿論、部屋に鍵はなし(^^;;)。

廊下は吹きっさらしで、部屋に鍵はなし。。。廊下は見ての通り、思いっきりの吹きっさらしである。
正面に何もなくて景色が見えているのがお解り頂けるかと。
開放感たっぷりともいう。

窓はなし勿論、手洗い場も窓は素通し。
なので、家の中を風がよく通って行くのだった。
夜、トイレに行こうとした時に、そのことに気付き、さすがにちょっとびびった。

食事編に続く
こちらのお宿のウリは、すみずみまで気を配った、地元の良質な食材で作る胃に優しく滋味に富んだ「まっとうな料理」である。
奇を衒わず、真っ当に美味しい、そんな和食なのだった。

先付け(手作り豆腐・辛なす・あわび/塩ウニ/きゅうり)まずはいろいろ。手作り豆腐に、きゅうり、塩ウニ、辛なすの先付けと、赤目(アイナメ)の膾である。輪島碗の赤が映えて目に眩しい。

自家製梅酒自家製梅酒を頂いた。
甘くないきりっとした味わい。これくらい甘くない梅酒が好きである。

そば自家製そば。
蕎麦を湯がく前に、付け合せのししとうを庭に取りに行っていたのが見えた。辛味大根がポイント。

イシダイお刺身はイシダイだった。
今の身には、この位の量がちょうど良い感じで。

炊き合わせ野菜の炊き合わせ。
ピリ辛こんにゃく、高野豆腐、にんじん、かぼちゃなどなど。
じんわり美味なり。

アマダイ(グジ)の粕漬け脂がそこそこのっていて、旨みの汁がじゅわわと出てくる焼き加減だった。

冬瓜のお碗冬瓜のお碗。
さっぱりと。

焼きおにぎりごま油を付けて焼き、更にいしりを付けて炙る焼きおにぎり。いしりも凄いが、ごま油もナイス。

半生干し柿と加賀棒茶デザートは半解凍状態の干し柿と加賀棒茶。


朝食こちらは朝食。
ひりょうず、温泉卵、キノコの胡麻和え、焼き太刀魚、ふきみそ、こぶ、きゅうり、ナスと若目の味噌汁。

何もせずにのんびり過ごし、美味しいものを適量食べたい人向けかと。