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大統領の料理人当初、本屋で見かけた時には、アメリカの料理なんか見てもなーと思ってスルーしていたのだが、椎さんのお勧めに従って読んでみた。ら、大正解。
ホワイトハウスにおけるクリントン時代とそれ以前の「台所事情」が垣間見えて面白かった。
「エリゼ宮の食卓」「ワインと外交」でもそうだったが、ホワイトハウスも主人が変わると食事情も大きく変わるんだなーとしみじみ。
世界中、正式ディナーの最高峰といえばフレンチという状況で、中国みたいに自国の正当料理を声高に主張する国は少ないだろう。その中でヒラリーさんが行った「世界を饗するためには、旧式然としたフレンチではなく、自国が誇る(美味しい)アメリカン・コンテンポラリー料理を」という行動は、とても勇気のいることだったろうと思う。
ヒラリーさんは、野菜中心の安全で健康的な食材を好んでいたようで、本書に登場した料理の多くは、レシピを見ているだけで十分美味しそうと思えるものばかりだった。ウォルターの作る料理は、いままで抱いていた「大味で大量で少量でカロリーオーバーしそうなモノばかり」というイメージとはまったく異なるものだった。ファーストフードや缶詰料理やレンジ・ディナーが隆盛なアメリカにも、ママやグランマ・メイドのきちんとした手作り料理や郷土の素晴しい名物料理が沢山あることが判った、というだけでもかなりの収穫だったような気がする。
本書でヒラリーさんに対する高感度がアップしたことは間違いない。