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古いものに恋をして。〈2〉「好き」を生きる女性たち千葉さんの「古いものに恋をして」第2弾。
今回は紫というか小豆色の表紙だった。
前回と同様に「好き」を仕事にして打ち込んでいる十人の素敵な女性達のルポである。
職業は多岐に渡り、実に様々だが、みなさん共通して言える事は、文化や芸術を尊び慈しむ心、であろうか。今回、特に印象に残ったのが、こちらの方々である。
■高橋晃子さん:国立文楽劇場・床山師
床山師とは、端的に言ってしまえば文楽人形の鬘の毛を整える人のことである。今時の美容院や昔の髪結いと同様に、女性も大勢いる職業なのかと思っていたが、さにあらず。なんと文楽初の女性床山師なのだった。また何と言ってもユニークなのがその経歴で、美大で日本画を専攻した後、海外に留学してみたが、そこで一旦方向転換し、CGをやってみようとコンピュータ会社に就職したそうな。その後、結局30歳でこの道へ、ということだそうだが、なかなか波乱万丈な前半生といえよう。私自身、CG科を卒業したくせに専門職種につけないまま、食う為に業務系のSEとなって現在に至る(でも着付け講師の資格を持っていたりする)ので、その辺の人生模様をじっくりお聞きしてみたいなぁとも。
■熊谷志衣子さん:南部鉄器の鋳物師、15代鈴木盛久
工房HPもすばらしいので興味のある方は要チェックのこと。
13Pの写真中央に、持ち手が長く、こんもりと丸い鉄瓶が写っている。
千葉さんの言う『手鞠鉄瓶』は、おそらくこれのことだろう。お書きになっている通り『生活には溶け込むが、存在は際立つ』、まさにそんな感じである。
丸ノ内のパティスリー『サダハル・アオキ・パリ』で使っている鉄瓶も、これに似た真ん丸いフォルムで、その格好良さに以前から目をつけていたのだが、表面の造作が少々違っている模様。(画像はこちら)こちらは某百貨店で5千円程度で売っているらしいが、熊谷さんの手毬鉄瓶の値段は。。。なので、もう少し手が届きそうな商品を現在鋭意物色なり。うむむん。
一時の南部鉄瓶ブームの際に市場に安価な粗悪品が氾濫し、消費者が離れてしまい、自らの首を締めるという話があったが、この前訪れた輪島の漆器工房でも、作家さんが同じような話をしていた。とはいえ、やはりど素人としては、どの程度の値段の物が粗悪品で、どの程度の物が良品or芸術品なのかが判らず、色々と迷うことしきりなのである。
■平盛道代さん:神楽坂『ラ・ロンダジル』店主
記事の内容で特に惹かれたのが平盛さんのお店であった。ウェブショップを見て、更に興味が増した。
主に新人作家さんの作品を中心に手仕事の器を販売しているようだが、新しいというより、どこか『懐かしい』というか『落ち着く』というか、そんなイメージである。近いうちに家人を連れて行きたいと思っている。
お試しとしては、こちらの南部鉄瓶も悪くないかもしれない、とか。