幼子は悲しみの波間に イヴ&ローク21 (ヴィレッジブックス F ロ 3-21 イヴ&ローク 21) イヴ&ロークの21巻目です。巻数を重ねるにつれて、ますます面白くなって来ている感じで、嬉しい限りですね。
 前回のトラブルからまだ2ヶ月程度しか経っていないようで、ピーボディがやっと現場に復帰したばかりということろでした。ということで、メイヴィスのお腹はまだ膨れたまま、お産騒動もまだでした。
 今回は目の前で家族全員を惨殺されて、ひとりだけ生き残ってしまった子供がキーパーソンとして登場するのですが、イヴとロークが愛情に飢えた子供にやや引け越しになっている姿が印象的でした。今回は、親の愛も保護もない子供時代を過ごした自分(イヴ&ローク)達と、愛情を受けて育った上で家族を奪われてしまった子供達ではどちらが不幸なのか−多分、後者の方が幸福だろうけれども、その悲しみがいかばかりなのかは、親の愛情を知らない自分達には決して判ることはない−といった葛藤もあったりしつつ、ローク自身が子供時代の苦しみにまだかなり引きずられているんだということが判ったので、実りの多い回でした。
 他の定番メンツ達も相変わらずでしたが、とはいえ、シリーズが進むにつれて、徐々に成長したり変化があったりしており、その都度、各々のキャラが個性的で人間くさいところを見せてくれるので、その辺でも期待通りにたっぷり楽しめました。(トゥルーハートやバクスターの今後が結構楽しみだったりします)
 ということで、早くも次回が楽しみになってきました。