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フリーター、家を買う。 有川さんの新作でましたー!
 日経ネット(丸の内Office)でWEB連載されていた際に見はぐっていたので、一日千秋の思いで待ってました。結局のところ、社会に出たばかりの主人公の成長物語なのですが、特に前半は重かったですね。や、噂には聞いていましたが、ここまでだとは正直思いませんでした。日経ネットはさておき、丸の内Officeって。。。有川さんが「全力で空気読んでない」とあとがきで書いておられましたが、やっぱり凄い人ですね。
 なお、有川印のベタ甘度ですが、今回は限りなくゼロに近いです。ほんの少々しか甘さがなかった「三匹のおっさん」よりもっと少ない感じですね。なおかつ、話の暗さ度は「ストーリーテラー」並み、もしくは「海の底」の前半並みと言えましょう。なので、ベタ甘が目的という人は、止めておいた方が無難かもしれません。と、一応は警告しておきたいと思います。
 でも、とっても面白かったんですよ?
 読まないと勿体無いですよ? とも書いておきたいと思います。
 以降、ややネタバレっぽい感想になりますので、別立てで〜。
 前半部分は特に厳しい展開がしばらく続くので、最初から連載で読んでいたら、精神衛生上、かなりよろしくなかったのではないかと、正直思いました。読んだ日は完全に一日中ブルーモードみたいな。なので、単行本で一気読みして、結末が一応着いて終わった状態で読んで、本当に良かったなーと思います。
 読んでしまってから振り返ってみれば、やはり新人社会人あたりが読者ターゲットというのは凄く正しかったんだろうなーと思えるんですが、日経ネット連載中、前半、周囲の反応がかんばしくなかったであろうことは想像に難くありません。それ位、暗くて重いです。で、後半、反動で明るいかというと、話の性質上、そんなこともないですし。。。
 でも色々と考えさせられるお話でしたし、自分や自分の周囲を見直す、良い機会にもなりました。その辺の詳細は、読んでみてください、と言うしかないのかなーと思います。
 有川さんの次作ですが、9月から新たに新聞連載(高知と山梨だったかな?)が始まるらしいです。そちらも早く読みたい気持ちがあるんですけれども、単行本になるのは来年以降でしょうか? ヤキモキ度はいかばかりか、かなーり気になりますねぇ。
 また、電撃文庫の書き下ろしが今年の年末か来年初あたりに出る模様ですが、そちらはレベールの性質上、暗くない話になるかと思われますので、ベタ甘派の方は、それ待ちで頑張りましょう!