辰巳さんの本は勿論料理本である。でも、まっとうな生き方の本でもあるように思う。
辰巳さんの本に載っている料理は、単に安全で安心で美味しいだけでなく、滋味に溢れていて、愛情と知恵が詰まっている。

本書の中で辰巳さんは、現代の食事は「飽食」ではなく「崩食」である−と書かれているが、日頃、あまりにも乱雑な食生活を送っている我が身を振り返ると、非常に耳が痛い話である。
でも、ベースを忘れてはいけない、そう思うから、ついつい買って読んでしまうし、時間が許す時には実行しようとするのだろう、そう思っている。