ものぐさ日記

読書・映画・旅行・食物・習い事などに関するあれこれを、ものぐさに更新  

books-2008

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実際に買ったのは「新潮文庫の百冊」用に新装された黄色い文庫の方である。この黄色い表紙が目を惹き、レジに運ぶこととなった。
「裸の王様は絵のない絵本を貰った〜♪」というフレーズで記憶に残っている本書であるが、実はきちんと読んだことがなかった。(アニメで見たかもしれないが、記憶なし)
で、読んでみたら、あらまあびっくり!
こんな話だったんだ。。。と目から鱗が。
黄色い表紙だからこそ買ったくせに言うのもなんだが、この以前の表紙の方が結果的には内容にあっている気がする。でも夏に読む文庫として考えると、黄色い表紙とか青い表紙とかの方が、最高な気がするから不思議だ。装丁の勝利かと。

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表紙で購入(笑)
日本最北の弱小動物園が入場者数日本一になった感動秘話ということで、色々な本や記事で既に知っている内容だったが、買ってみた。
そして、知っている内容とは言いながらも、やっぱり面白かった。
映画公開前ということで文庫化された模様。映画は来年春公開とのこと。
行ってみたいものの、噂を聞いたかぎりでは、園内はかつての初代上野パンダ並みの激混み状態らしいので、夏休みに行くなんて論外という気も。
ゆっくり見られるようになるのは、果たしていつの日か。。。

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「賢者はベンチで思索する」の続編である。もう続きはないだろうとあきらめていたところ、友人が続編の存在を教えてくれたのだった。
前作の最後で、何もかもがかなり上手く行っていたように見えたクリコだったが、初っ端から上手く行かないモード全開で話が始まった。
中篇3編で時系列順に構成されており、1話目の脇話(解雇)は「んなことある訳ないだろー」という感じだったものの、主のストーリー自体は良かったので、無理なく読めたし、それ以降はかなり面白かった。
ぶっちゃけ、主の謎は前回の方が良かった気がするが、クリコの境遇だけをとってみると、紆余曲折や青春の苦悩があったりもして、今回の方が面白かった。前回飼うことになった犬(アンとトモ)も元気そうで、表紙にもしっかり登場。なんていうか、犬の性格が顔にもろ出ているような、そんな表紙である。以前、柴犬を飼っていたせいか、日本犬ってやっぱりいいなぁと思ったり。と、話が横道に。。。(^^;;)
このクリコ@シリーズ、清掃人キリコ@シリーズより好きかもしれない。
また続くといいなぁと真剣に思っている。

今回のyomyom特集は「新潮文庫の100冊の作家たち」「夏の読書は文庫!」「赤毛のアン」などなど。
まず巻頭の塩野七生さんの随筆「キライなこと」が凄く良かった。特に日本人の顔に関する考察が「なるほどー!」という感じで、日頃心の隅っこで渦巻いていたモヤモヤが晴れた気がした。にしても、塩野さんももうかなりの高齢になれらたんだなーと。まだまだ元気で頑張って頂きたいものである。
夏の文庫特集については、椎名さんの愛読書が良かった。彼は相当読書家という認識だったのだが、半分以上既読で好きな本(ようするにSF)が並んでいたのが、ちょっと嬉しかった。アシモフをもっと読んでみようかなーとも。
「赤毛のアン」特集は、ファンとして予告時からかなり楽しみにしていた。何と言っても、村岡@アンといえば新潮文庫版なのだし、この本を読んで育ったファンは、今だってそれこそ山のようにいるはずなのだ。
しかし、「アンが愛読書だった」というタイトルなのに、アンが愛読書ではなかった人−今回の特集で初めて読んだような人の話ばかりで、深い考察があるでなし、思い出話があるでなし、まあまあ褒めている話が多かったとはいえ、付けたりのようにしか思えず、タイトル倒れだったというか、正直、根っからのファンとしては、非常にいい加減な扱いに思えて、ただひたすらガックリしてしまった。。。とほほ。

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たまごかけご飯好きによるたまごかけご飯好きのためのたまごかけご飯の本である。表題通り365通りのレシピ(?)が載っている。
たまごかけご飯好きとしては、やはり買わずばなるまいて(大げさ)。通常の書店にはあまり置いていないらしい。密林でも見つからず、本家HPでも買えるのだが送料を考えると面倒ということで、大雨の中、わざわざ某所のヴィレッジ・ヴァンガードまで出張って買ってきた。しかし、今見てみたら密林でも購入可能になってるじゃん。。。
さて、気を取り直して本書の内容である。この「たまごかけご飯」のことを本書では何故か「T.G.K.」と呼んでいる。これは敬意を込めた称号ということらしいのだが、何やら別の料理に変身していそうで、ちょっとイタイ気もしないではない。。。
もっとも「T.G.K.」は「エブリシングウェルカムの驚くべきフリーダムにあふれた世界」であり、更に「クリエイティブでピースフルな世界」の創作作品ということらしいので、やはり呼称(というか心意気)は大事らしい。
本家HPはこちら続きを読む

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ae71a1d4.jpg少しづつ読み進めてやっと読了。とはいえ、読み辛いのでは全然なくて、ああ終わっちゃった残念〜という感じである。
表題通り、読者の料理の疑問や希望に南極料理人@西村さんがズバズバと回答して行くだけなのだが、これが激しく面白いのだった。西村さんはまさに「口から生まれてきた」ような人で、ご本人自身も本書の中で「5分間黙っていると死んでしまう体質」と書いているが、流れるように語りかける軽快な文章で、抱腹絶倒なことや目からウロコのことをズバズバ言うので、大多数の人は、読めばたちまちファンになること間違いなしかと思われる。
表紙の西村さんは海上保安庁のカッチリした人というイメージだが、著者近影の熊のような豪快な姿を見て貰えれば、イメージはお解り頂けるかと。料理好きの人もそうでない人も、ぜひご一読をば!
ちょっと内容が見たい人は新潮社のこちらをチェックのこと。
なお、先に「南極料理人」という本が出ているようなので、次回はそちらを読む予定。「笑う食卓」もあるし。しかし、ペンギンが表紙だったのに今まで気がつかなかったとは、手抜かりなり(笑)。

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瀬戸内版、失われた一帖「輝く日の宮」−ようするに「藤壺」のエピソードである。
瀬戸内版源氏は未読で、今年のイベントに向けてちょうど読もうと思っていた矢先だったので読めてよかったが、わざわざ古語版を作ってつける理由がよく判らん・・・。
というか、後々勘違いする人が出ると思われてならないのだが、如何なものであろうか?
この中で語られている藤壺の人物像自体は、個人的にはNGだった。全然魅力的じゃない藤壺は藤壺という気がしないので。源氏も微妙。。。
なお、本が薄くて字がでかく1頁10行と行間も大きく開いている。古語版まで無理やりつけても百ページにも満たないという状態で、お値段が400円というのは、非常にお高い気がしてならないのだが。。。
なんて考えていたら山田詠美を思い出したのだが、考えてみれば両者の内容の傾向は似ている気もする。

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祝、文庫化!ということで購入。
密林に画像がなく、単行本版を借用した。
服飾関係の職につけず、仕方なくファミレスでバイトする21歳の久里子と、ファミレスでいつも同じ席に座る国枝老人は、近所の公園の知り合い同志だった。老人は周囲から少し痴呆の気がある老人と思われていたが、久里子と公園のベンチで話すときだけは賢者に変わり、久里子の様々な疑問を解決に導くのだった−というお話。
「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」という宣伝文句の通り、事件は遠くの他人事ではなく、身近な場所にも転がっていて、いつ飛び掛ってくるやもしれない。とはいえ、そうは言っても、そういう人間だってまだ捨てたもんじゃないんだよ、というような善意の部分も出てきたりして、読後感は悪くなく、最後はほっこりして終了した。
次作はなさそうなのが、ちょっと残念。

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a16a9b4a.jpg帯にもある通り、アニメ化記念という話だが、イラスト集とか応募しなきゃ買えない本とかに掲載された短編も載せるという大判振る舞いだったので、喜んで購入。
各々本編の間に入る作品が多かったようだが、まあ内容はさておき、垣ノ内さんの描くお涼は今回も最高だった。格好良い泉田さんもいっぱい見られたので、それだけでもう十分満足♪
なお、後になってSPって何?と思ったが、全然深い意味はなかった模様。。。
で、肝心のアニメの方だが、放映日程は以下の通り。
最速のTVKが7/5の深夜スタート。
http://www.starchild.co.jp/special/yakushijiryouko/onair.html
なんとまあ関東のローカル局ばっかし……。
これじゃ全国ネットはまず無理かと。
一応、キッズステーションとかBSでもやるらしいので、地方の方はそちらをチェックのこと。

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最初に出た時は英語の原題も含めて「ナイト・シールド」だったのに、内容とまったく関係ない訳判らん「キスで終わる夜明け」なんて、くそ面白くも無い名前に改題されていたもんだから、間違って買ってしまった。
くっそー!
これは「ナイト・テイルズ」シリーズ中の1作である。たぶん5作目あたりか。既に記憶も曖昧だが、ノーラにしては珍しく3部作じゃなかったので、ある意味入れ込んでいたのかもしれない。HQでは「真夜中のヒーロー」というシリーズ名になっていたはずである。
女刑事アリーと高級ナイトクラブのオーナーであるジョーナのお話。
犯人逮捕のためナイトクラブに潜入したいアリーと、わずか十二歳にして賭博組織を作りあげ、高級ナイトクラブのオーナーになった伝説の不良少年ジョーナは、会った当初からあまりそりが合わなかった。ジョーナは育ちの上からも警官が大嫌いという設定なので、ある意味「イヴ&ローク」の現代版と言っても良いかもしれない。
本作の製作は2000年なので、イブよりこちらの方が新しいのだが、この前、イヴ&ロークの現代版も書くという噂があったばかりなので、案外、このナイト・テイルズ・シリーズあたりが元になるやもしれない。

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大人買いシリーズは続く(笑)。
この作品、何年か前に一度本屋で見かけたことがあったのだが、途中の巻しか置いてなく、買わずに済ませてしまっていた。その後探すも見つからぬまま気になっていたのだが、この度ルルル文庫で再販された模様。ということで、既に過去に完結している作品なのだが、まだ未読だったし、密林のコメントを見る限り、ぶっちゃけ「陵子の心霊事件簿」の系統らしいが、面白かったということなので、ちょっと愉しみ。
なお、1作目は舞台がヒッタイトということで、もしや。。。と思っていたら、顔形の違うザナンザ王子が出てきてびっくり。作者曰く、パラレルワールドと思って欲しいとのこと(^^;;)。

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120巻の感想をUPしていなかったような…。
とはいえ、まあ大勢には影響は無し。
まさにタイトル通り、ケイロニアに帰還したグインのお話。光も闇も予想通り。あとがきもほぼ予想通り。辛口のコメントが多いようだが、既にそれほど期待せず読んでいるので、まあこんなもんかと。1巻で1日も進まなかったあの鬱陶しいタイス編に比べれば、退屈なサイロンの方がまだましだと思われ…。まあそれ位タイス編が好きじゃなかったともいう。
今となっては、栗本さんには可能な範囲で健康には十分気をつけて頂いて、とにかくきちんとした完結に持っていって欲しいと切に祈るのみ。癌が早いか気力が持つかが微妙なところだろうが、気力があれば何とかなる気がするので、周囲もあまり気力が萎えるような発言は控えて、無事完結に迎えるよう、ヤーンに祈った方が得策ではないかと。
表紙が誰かで結構もめていたようだが、ハゾスの息子でFA? 誰か知っていたら情報よろ。

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たったひとりの客を待つ店。それが「タイム屋文庫」…この帯宣伝だけで、すでに読む気満々だった私。おまけに帯には「ロマンチックが全開!」とも。私のベストSFは長編が『夏への扉』で短編が『たんぽぽ娘』である。これで読まずにおられようかー!
で、フタをあけてみたところ、主人公は、夢見る子供でも学生でもなく、さらに美人の人妻でさえなく、ちょっと前まで会社の上司と不倫していたという「考えなしで抜け作の三十女」だった。
この彼女、祖母が亡くなって空き家になった家に移り住み、百万以上の設備投資をした上で、自分の所蔵本を元に貸本屋を開いてしまうのである。その貸本屋の名前が『タイム屋文庫』−時間旅行専門の貸本屋なのだった。彼女がかつて好きだった男の子が過去に「そういう本屋があったらいいな」と言ったという、その言葉を拠り所に、たった一人の客−彼−を待つつもりで開くなんて、確かにあきれるほどロマンチックな行動(=無謀な行動)としか言えまい。
今時の話なのに、途中に出てくる作中の小道具の数々−ばあちゃんの思い出とか黒猫とかリスとか家鳴りとかが、あたかもタイムパラドックスやパラレルワールドであるかのような不思議な混乱を作品の中にもたらしているようで、事象の交差のさせ方が上手いなぁと思ったり。
私の大好きな時間物の作品達は全部この本屋にあるに違いない。今はもう休業中というタイム屋文庫だが、私もそこのソファに座ってゆっくり夢を見てみたかった。。。
なお、作中のタイトルはどれも有名な時間物の作品をもじっているのだが、ネタ元になっている作品は、どれも読んで損なしの名作なので、そちらもぜひご一読あれ。

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「常野物語」がやっと文庫に!
ということで喜び勇んでゲト。
表紙が違うと印象も随分と変わるものである。
久しぶりにさくっと読んでみたが、やはりこのお話は良い。
不思議な力とか能力とかはさておき、時代風景や人々の想いなどが、なんともじわりと心に沁みて、ほう、とため息をついたりする。
今はもうとうに消えてしまった、懐かしい時代の懐かしさを感じる、そんな人達が登場する、そんな物語である。
−それだけの価値のある国なのかどうかを彼に尋ねてみたいのです。
第二次世界大戦が終了した後の、峰子の言葉が胸に重くずしんと突き刺さる。

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2fe4e5b5.JPG図書館で懐かしい絵の本を発見!
セイシュンの食卓ファンにはひたすら懐かしい、たけだみりこ画伯とお料理のカップリング本であった。
今回は世界各国のパーティ向き料理を日本にある普通の食材で作るというのがポイント!
さすがセイシュンの食卓チーム、初心者にも判る書き方であんまり難しそうには見えなかった(気がする)。
1話毎のお約束漫画ももれなく付いて来るが、残念ながらヒロミもおじいさんもインド人もさすがに出てこなかった。
国もあるわあるわ、ベトナム、フランス、イラク、ロシア、インド、エジプト、アメリカ、スペイン、ネパール、ケニア、メキシコ、イギリス、タイ、イタリア、ブラジル、オーストラリア、中国と、17カ国!
十年前の本なので、もう店頭にはないかもしれないが、もしあったらぜひチェックのこと。ちなみに続きも出ていたらしいので、そっちも探して借りなくては。

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訳が永井淳さんで一安心。
転んでもタダでは起きないJ・アーチャーの牢獄物(?)第二段は短編集だった。
にしてもこの人、短編集を出す時は12本と決めているのだろうか? なんて思いつつ、ふと裏書きを見返したら、12本シリーズの短編集が作品一覧からごっそり消えていて、ガーン。この前の椎名誠の名エッセイといい、寂しい限りである。そこそこ売れている作家がこれでは、もっと売れない場合は押して知るべしだし、新潮社でこれでは。。。と思うと、なんだかトホホな気分になってしまう。
と考えると、やっぱり凄いぞ>星新一。ととと、話が逸れてしまった。
話をアーチャーに戻して、今回の短編も相変わらず小気味良い良品揃いだったが、中でも「ソロモンの知恵」のラストが最高だった。「この水は飲めません」とか「ザ・レッド・キング」あたりはいかにもイギリス人らしいお話だったし、「アリバイ」あたりも如何にもであった。
だが「あるギリシア悲劇」のオチが全然判らなくて悩ましい。アンドレアスが撃ち殺されたのか、何故みんなが命拾いしたと言っているのか。
うーむむん。この頭の悪い私に、誰かすっきりした正解プリーズ。。。

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オノさんの表紙と秀吉の時代ということで借りてみた。脚本家さんの初小説とのこと。
最初は誰が主人公やら全然判らず、もう途中で読むの止めようかと思ったところで、やっと主人公登場。おそーっ!
途中もややダラダラ気味であったものの、後半は一気に面白く読むことが出来た。
本当かどうかはさておき、こういう戦があったとしたなら、それはそれで「戦国時代らしく」て良い。
映画化企画進行中とのことだが、日本人が大好きな時代だし、キャラはそこそこ立っているので、映画化用に途中のうだうだをとっぱらってまとめた方が、かえってスッキリして良いかもしれない。
個人的には身体も目もでっかくて何を考えているのか判らないぬぼーっとした演技を行える人、ということで佐藤浩市とか思ったり。

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恋焦がれても報われない場合、その恋の行き着く先って一体。。。
少女ならではの純粋さ、と言えるかもしれない。思い詰めるタイプの少女が徐々に壊れて加速して行く様に、次はどうなるんだろうと思わずにはいられず、最後まで一気に読み切ってしまった。思いっきり暗い話の割りに、読後感はそれほどでもなかったのは、予想通りの展開になったせいだろうか? それでもやはりマイナスのインパクトは強かったようで、その後数日間、普通の小説が読めなかった。続きを読む

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東京バンドワゴンの第2段!
どんどんメンバーが増えて行くような(笑)
四季折々、色々な問題が起こるものの、堀田家の一家団欒を眺めていると、やっぱり家族っていいなぁと思えてくる。がなっちゃんの「LOVEなんだよねぇ」も良いが、今回は特に勘一じいちゃんの言葉が心に沁みた。さすが戦中派、伊達に年食ってないなぁと。
下町ラブ&ピース小説とも言われているらしいが、言いえて妙かと。

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お友達絶賛していたところちょうど文庫が出たので購入。図書館本を優先していたら読むのが少々遅くなったのだが、読了後、もっと早く読めば良かったと後悔しきり。
まあ後悔は先にたたないので、続編も可及的速やかに読む予定なり。
舞台は東京の下町。今時の話なのだが、縁側に卓袱台があって家族が思い思いにしゃべくりながらご飯を食べるような、そんな家族のお話である。懐かしい昭和の香り漂うナイスなホームドラマであった。おばあちゃんの声は八千草薫なんかどうだろうか。

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f1786049.jpg米原さん最後のエッセイ集。
今回のネタの中から思いつくままにつらつらと書くと。。。
料理好きの人って掃除が苦手というタイプが多いのではなかろうか、という米原さんのつぶやきには諸手を挙げて賛成したい(笑)
貧血にはサフランがよく効くというネタにもかなりそそられたが、いかんせんお値段が高すぎる…。
あと去年亡くなったロストロポーヴィチさんのネタもまたちらほら。
数年前の千人コンサートの時には既に米原さんは闘病中だったのだろうが、その時2人は会えたのだろうか? それがちょっと気になった。(もっとも今頃天国でのんびりやっているかもしれないが)
大好きだったというお父さんのエピソードやお母さんが亡くなった際の告別式での追悼の言葉を読むと、米原さんが愛されておおらかにのびのびと育ったということがよく判る。
もう新しい言葉が聞けないかと思うと、いまでもぐうと胸が痛む。。。

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命を守る薬食の知恵ということでチェック。
「和」の食と文化にまつわる様々な話がとても面白く非常にためになる話ばかりだった。
特に五節句と食の関係やお伽話に出てくる小物の話など、日本文化の奥深さと奥ゆかしさについて、目から鱗が落ちることばかり。
思った以上にというか予想を遥かに越えて面白かった。古の知識はまことに偉大なり。古代の日本人侮れず、という気分である。
あと、お伽話の実際のところ、というネタもかなり面白かった。一時期グリム童話やイソップ物語の本当の話が話題になったことがあったが、こちらも「本当は○○だった日本昔話」というネタで十分盛り上がれるのではなかろうか。

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知人のオススメということでチェック。
同期会後の3次会で札幌の飲み屋に集まった男女が5人。彼らは大雪で列車が遅れたせいで同窓会に参加出来なかった田村という男を待っているのだった。まず彼らの口から田村の話題がポツポツと続く。貧乏だが卑屈にならず、小6にして既に孤高の存在だったという、田村。みなが語る田村の姿を聞いていると、がぜん興味が沸いてきて、いやがおうにも期待が高まるのだった。
そうやってみんなでひたすら「田村はまだか」と言いながら、各々己の物思いに沈み込んで自分の現在過去を振り返る…というような感じで同級生達の物語が続いていくのだが、話が進んで行っても肝心の田村がなかなか来ないので、段々みんなと同じように「まだか、田村ー」という気分になってくるから凄いぞ>田村。続きを読む

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守り人シリーズの短編集である。
10代前半のバルサとタンダが中心となる短編集で、浮き籾/ラフラ<賭事師>/流れ行く者/寒のふるまい、の4作品で、時系列順に並んでいる。
浮き籾はタンダが主人公だった。自分以外の生き物を思いやるところがいかにもタンダらしいエピソードである。
ラフラはユリイカ掲載時に読んだが、さらに加筆したとのこと。
浮き籾の以後のエピソードとなっている。当時読んだときと微妙に印象が変わった気がするのだが、浮き籾で子供時代のバルサに慣れてから入ったせいもあるかもしれない。ユリイカが今手元に無いので比較できなくて残念なり。
流れ行く者は更にラフラ後の話で、バルサが初めて他人とサシで戦った際の伊心の動きやなにやらが切ない。
世の中のやりきれなさや割り切れなさを徐々に知っていく、子供時代の2人の姿がていねいに描かれていた。
上橋さんは今だから書けたと仰っているらしいが、なるほど、そうかもしれない。
相変わらず胸にじんとしみいる良いお話だったかと。

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出版がFM東京ということで???
元はラジオドラマだったとのこと。で、なるほどと。確かに作中に流れているBGMがあった方がより効果的に思える作品かもしれない。
読み始めた当初は、金融系の専門用語が雪崩のように降って来て、しばし途方にくれたが、途中から理解する必要は無いと割り切り、後半、その辺の行は全て斜め読みして乗り切ったのだが、特に問題はなかったようで(たぶん)良かった。
仮想世界と現実世界の境目をわざとぼやけさせるという手法で、攻殻機動隊の世界というよりは、ブームタウン@内田美奈子(こう書いてもごく一部の人にしか判らないかもしれないいが)の世界なので、そこのところが判らない人には「何のことやら」になりそうな、そんな作品かと。
専門用語はさっぱり理解できなかったものの、個人的にこういう系統の「想い」が重要になるお話は実は大好きだったりする。
瀬名さんの小説は「パラサイトイヴ」しか読んでいなかったので、そんな彼の恋愛小説はどんなだろうと手に取ったのに、中身はばっちりびっちりSFだったのでびっくり。
ということで「あしたのロボット」あたりも読んでみようかなーと思っている。

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a1302704.jpgたかがパンツ、されどパンツ。
にしてもこの表紙は如何なものだろうか。。。もうちょっとなんとかと思わないでもない。
下着一枚から世界が見える。
どんな世界も首を突っ込んでみると非常に奥が深いものである。これまた日本海溝のような深さで、まさにライフワークとしたくなるのも頷ける。
下ネタに通じそうで通じない、微妙な立ち位置のまま不真面目なような真面目なような微妙な感じで米原さんらしい考察は続く。
にしても、米原さんじゃなければこれほど面白くはならなかったのではなかろうか、なんて思うのだった。

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64070540.jpg米原さんの『マイナス50℃の世界』を読んでいて、この本のことを思い出した。20数年前の学生時代に読んだ懐かしい本である。再読したくて探してみたところ既に絶版。ということで古本を購入。アマゾン有志のレビューの通り、これが絶版とは非常に勿体無い。新潮文庫なのに。。。
記憶では全編便座と下ネタだらけの本だったように思っていたが、実はその他の事柄の方が多かった。自動車免許取得時の話とか野田さんとのカヌーの話とか。今となっては懐かしいネタばかりである。記憶というものの適当さよ。。。
巻末に妹尾河童さんの『椎名家トイレ俯瞰図』があるのも一興かと。
ちなみに期待していた米原さんネタはカケラも出てこなかった。通訳とは黒子なり。

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三崎日和ごはん日記の第二段。
今回は2003年度の内容だった。
三崎日和というタイトル通り、三崎の食べ物と人々に思わず惚れてしまう本。
いしいさん好きな人は勿論、食べ物好きの人にオススメしたい。
巻末の鼎談も必見。
鼎談はつい最近の収録だったようだが、月日の経過は関係ないということがよく判るかと。

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新潮エンターテインメント大賞受賞作。
テイメントではなく、テインメント、とのこと。
表題は予想通り「枕草子」からの引用だった。
夏休み、母に連れられて田舎の古びた庵にやってきた17歳の少年、悟が出会ったのは、不思議な力を持つ少女と生意気な少年だった・・・。
父と母、父と少年、少年と世間の繋がりとそれぞれの立ち位置など、まさに表題通り、青春ミステリという感じである。
おんば様、預かり子、魂翔け、鈴鳴らし、などの古くて不思議な言葉の韻が心地よく、聖域である祠の世界にもよく溶け込んでいたように思う。
ひと夏の出来事は少年を大人へと変えていく−読後感は爽やかで、かなりよろし。
次回が楽しみな作家さんである。

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米原さん幻の処女作!という帯でチェック。
二十数年前、子ども向けの新聞に書いた文章で、TBSのシベリア横断65日の取材に通訳として同行した際の経験を元に書かれたとのこと。去年、新装版として出版された。
子供向けらしく読みやすい平易な文章になってはいるが、それでも米原さんらしいすっきりした語り口は健在で、内容は子供向けとは思えないほど盛りだくさんであった。通訳時代の若かりし頃の写真も一杯あり、米原ファンなら要チェックである。あとがきの椎名誠さんの文章も必見。
TBSの取材には椎名さんも同行していたということで、もしかして椎名さんの名作「ロシアにおけるニタリノフの便座について」の時の旅行のことかと思い至った。姉の本だったのでうろ覚えなのだが、抱腹絶倒の下ネタオンパレード本だったような記憶が。。。ネットでチェックしてみたらどうやらこちらも絶版している模様。あんなに面白い本だったのに、残念なことである。
エッセイ中に出て来るであろう元気な米原さんの姿を発見してみたくなった。古本屋に行ってみるか。。。

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図書館にリクエストしていたのだが、下巻の方が先に来て、中巻をじーっと待つこと1週間……長かった〜。
ということで、中下巻を一気に読了。
ドラマは録画しているものの見る暇がなくて上巻の終了際あたりで停滞中だったので、ちょうど良かったと言えるかもしれない。にしても、こういうベタな展開になるとは、予想通りというか予想外というか。。。史実と言われていることとはやや違うような気はするものの、そこはそれ歴史ファンタジーなので、十分ありなのかなーと。
ヨン様の雰囲気はまさに太王キャラそのものだし、最終的には思った以上に面白いお話だったので、まあまあ満足。
ラストがああいう展開になるのは、同僚の韓国女性曰く「お約束」とのこと。
そろそろドラマも消化しなくては。。。

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光の輪トリロジー2作目。
今回は表題通り、女ヴァンパイア・ハンターと竜(になる)戦士のカップリングであった。
今回の主役男性キャラは、情に厚く明るく快楽的だが同時に短絡的な戦士という設定だったが、通常、こういう善人単細胞キャラは友人や当て馬にはなっても、主役にはならないものだ。とはいえトリロジーとなると、最低3組のカップルを登場させないといけない上に、キャラの書き分けをする必要がある。ということで、たまにはこういうタイプにも出番が回ってくるわけである。まさにトリロジーならではのキャラといえよう。(まあでも十分愛すべきキャラではある)
女王の従兄弟という設定は、登場当初はなんちゅう曖昧で微妙な立場だよと思ったものの、こういうカップリングだと判った今となっては、まさに予定調和の一環。さすがはHQ。w
自動的に次回はヴァンパイアと女王のカップリングと判ったので、結末をゆっくり待てばよし。

5
01715b8a.jpgイヴ&ローク17作目。
今回はいつにも増して面白かった。
特にロークのグリル・シーンは必見。ああいう姿のロークがもっとあってもいいかも。
他のメンバーにも色々と進捗があった。
お決まりのメンバーであっても、ひとつところに留まらず、それぞれに時間が進んでいるのが、このシリーズの醍醐味であり、面白さでもある。
次回は、ノーラ名義の作品とイヴ&ロークの18作目が連続して刊行されるとのことだが、タイトルからすると、どうやら両作品には繋がりがあるらしい。誰かの祖先でも登場するのだろうか?
次回の発表が待ち遠しい。

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シートショートの神様、星さんの評伝集である。かなり話題になっていたので読んでみた。
誕生前から成人するまでの人生に関しては、知らないことのオンパレードだったが、その内容がまたすこぶる付きで凄かった。星家は元々医者の名家で、製薬会社の御曹司として育ったことや、母方の祖母が森鴎外の妹であり、同じく母方の祖父は文化人類学者の草分けとして著名な学者だったことなど、まったく知らないことだらけで、ひたすら圧倒されっぱなし。
また、ワンマン社長だった父親の死後、会社のゴタゴタで色々な苦悩があったようだ。星さん自身が書いた「人民は弱し官吏は強し」や「祖父・小金井良精の記」を読んでいれば、こういうことは既知のことだったようだが、今まで一度も星さんの履歴を意識したことはなかったため、ただもうビックリするばかり。
作家となる前から修羅場を経験していたからこそ、あのような作品が書けたのかと、何だか妙に合点がいったような、そんな気がした。
作家人生の方については、既知のことが多かったものの、ショートショートというジャンルを確立し、継続して行く際の苦労や、文壇−特にSF界の重鎮でありながら、最後まで著名な賞を取ることなく、火が消えるように逝ってしまったような晩年の姿については、かなり胸に詰まるものがあって、最相さんの淡々として押さえたトーンの文章を最後まで読み進む間に、ボロボロと涙がこぼれて仕方がなかった。

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ファンタジー好きの方はぜひ一読をば!
魔法使いも妖精も出て来ないし架空の世界のお話でもないし、ごく普通の人々しか出てこないようなそんなお話なのだが、でもだからこそ物語自体の良さをじんわりと味わえるのではないかと思う。
特に機械好きの男の子にオススメ。
本自体はソフィーの世界並みの厚さだが、絵本なので、ご安心を。
鉛筆を主体とした情感溢れる動きのある絵で、ときおり写真も登場する。実写的な部分については、小さい子がちょっと怖がるかもしれないが、とにもかくにも絵と文章をじっくり味わいながら読んで欲しい絵本である。
・2008年The Caldecott Medal コールデコット賞金賞受賞!
・2007年全米図書賞ファイナリスト
・2007年クィル賞(Quill Award) Children's Chapter / Middle Grade 部門受賞
・2007年度ニューヨークタイムズベストイラスト賞
なお、スコセッシ監督が映画化するらしいので、今から楽しみである。

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8614ef98.jpgグイン120巻目。
心配されていた栗本さんの病状だが、年末に手術した癌は無事に切除されたとのこと。とはいえ1年後の生存率は4割で、現在は抗癌治療のため入院中。その代わり執筆スピードは上がっているらしい。。。って、ううむ…(-_-)
来年でグイン30周年だが、終わらせる気がないような発言も…。
本編の方は感想を書くとネタバレばかりなので、ちょっとだけ。
・ヨナに先を越されたヴァレの反応w
・弥勒の引き算だと7千万年かぁ…

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「ジェネラル・ルージュの凱旋」の後のお話。
とはいえ、今回の主人公は愚痴外来の田口先生ではなく、東城大学医学部留年中の天馬大吉という自称不運男@医学生である。幼馴染である女性記者から碧翠院桜宮病院への潜入調査の依頼を受け、嫌々ながらしぶしぶ潜入したものの。。。という感じで話はスタートする。
お馴染みメンバーでは姫宮と白鳥が登場し、シリーズのお約束ネタで楽しませてくれるのだが、今回はよりシビアで身近な問題−末期医療がテーマなので、話のトーンはやや暗く重たかった。
本作で作者は、末期医療の現状という現在の医療が抱える問題点に焦点をあて、作品を通じてかなり強烈なメッセージを送っている。
私には碧翠院桜宮病院が悪とはまったく思えないが、かと言って、東城大学病院が悪かというと、そういう風にはっきり割り切れる問題ではないだろうと思う。唯一はっきり言えそうなのは、お役所はアホウばっかりということだが、そんなの今に始まったことじゃないし…。
これを読めば、終末期医療のあり方に関する先行きの不安を、嫌でも考えざるをえなくなるので、早く文庫になれば良いのにと思う。
自分の場合も、身内が癌の闘病生活の末、亡くなっているので、その時からずっと末期医療や癌治療については色々と考えているのだが、今回、以前にもまして問題が大きくなっていることが判り、さらに暗澹たる気分になってしまった。
お馴染みの面白さと、いつも以上の真剣さが同居した、快作。

5
39c4eb70.jpg面白い!
直木賞『吉原手引草』の松井さんの食と日常に関するエッセイ集である。
最新の情報は作者のHPで写真つきで読めるので、興味のある方は先にそちらを覗くと良いかもしれない。
表紙のカメが非常にラブリーなのだが、松井さんのペットは南国生まれのカメである。そのためカメネタも多い。
政治や世間の風潮に対する辛口コメントも多々あり、あの米原万里さんには及ばないものの、同系統の匂いを感じて、ちょっと嬉しくなった。テンポもよく語彙も豊かで読んでいて飽きない。その割りに「お弁当ゲット」などと書くところがまたナイス。続きを読む

4
008b5138.jpg絶版になっていた八曜社版をポプラ社が文庫で復活させたらしい。
15年前に出版された幻の傑作絵本とのこと。
主人公の名前はしおん。しおんが語る物語は本当と嘘の狭間を漂い、間にはさまる絵も微妙に均衡を崩して描かれている。
読んでいる方は、それにつられて、だんだんと眩暈を感じるようになり、いつの間にか妖しく不思議な世界に自分が取り込まれてしまっていることに気付く−そんな、とても江國さんらしいお話だった。

4
奇妙で不思議な2つの世界を交互に描いていく、あさのさんのホラー系連作短編集。
おとぎの国の物語のような残酷なお話の数々。ぞっとするけど目を背けられず、読後に不思議な余韻が残った。この前の「ぬばたま」と同系統のお話で、怖いのにくせになってしまいそうな、そんな不思議さに惹きつけられた。
「バッテリー」のイメージで読み始めると痛い目にあうということで、帯には「この小説には毒があります」と注意書きあり。でも、ハヤカワNV系とか幻想文学系好きの人にならば結構お勧めな作品かと。

4
近藤さんの連作短編集。
舞台は下町の小さなフレンチ・レストラン「ビストロ・パ・マル」、厨房2名サービス2名でこなせる程度の小規模店だが、そこのシェフがお店の周囲で起こる日常の身近な謎を解いていく−というか、基本的にはシェフに出された料理を食べると、謎が解けるという仕掛け。
北森さんの短編連作である「香菜里屋シリーズ」とはまた違った雰囲気の作品である。気軽で美味しい料理をプロの技とセンスにかけて美味しい1品として昇華させて出すという、ビストロならではの細かな描写の数々も面白かった。
この街のビストロで起こる小さな謎を、美味しい料理とワインと共にゆっくりと楽しむ、というのが本書を味わう作法であろう。
香菜里屋は終ってしまったが、こちらはまだまだ続きそうな感じなので、次回を楽しみに待ちたいものである。
余計なことかもだが、ソムリエ女史の俳句は不要かと思われ。。。

4
海堂さんの医療物最新作。
田口&白鳥コンビかと思っていたら違ったので少々がっかりしたものの、今回、主役の女性が威勢が良く、度胸がある人だったため、今回もそこそこ面白かった。
現役医師である著者が産婦人科医を主人公にして語った現代日本最大の医療問題という宣伝だが、医療改革による医療問題はこういう影響を周囲に与えているんだなーということがよく判った。
大学病院のお世話になったことが少ないせいか、大学病院の現在の環境はよく判らないものの、ここ数年、一般の総合病院などでも大学の派遣先生を見た記憶がない気がする。
また、色々と問題が山積みしている模様の産婦人科問題についても、自分で思っている以上にまだまだ問題の根が深そうだということだけはよく判った。。。
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5
ビア・バー香菜里屋シリーズもとうとう本書で最後に到達。周囲からの噂で結末はなんとなく知ってはいたものの、こんな終り方だったとは・・・やっぱり意外だった。
あのヤな奴に天誅が落ちないまま終ったということに思いっきり納得が行かないのだが、こういう時こそ、どっかの誰かが奴をぶっとばしてくれないのだろうか?
あいつをぶっとばさいなんて、みんな態度が大人だよなーと思ったり(^^;;)。
にしても、北森ワールドのオールスターキャストが見事に勢ぞろいしていたので、一瞬、北森さん引退しちゃうの?と錯覚しちゃいたくなるほどであった。杞憂なら良いのだが。。。
今まで読んだ北森シリーズの中では、やはりこのシリーズが一番好きだし、料理の腕も含めて、工藤さんそのものが大好きなので、終ってしまうのはかなり寂しい。。。
シリーズは終ってしまったというものの、次回の工藤さんの登場を、首を長くしてじーっと待っていようと思っている。

5
チーム・バチスタに続く、田口&白鳥シリーズの3作目である。今回は勢いのある快作だった。
速水の再登場熱烈希望。
2作目で少々ウムムになっていたものの、次は面白いよの先人の皆様の言葉でここまで読んだのだが、読み続けて本当に良かった〜。
ある意味2作目ともかなり密接に関わっていたので、もう一度2作目が読み返したくなったりもした。なお、今回もオレンジの爆弾娘はいまいちだった。周囲に配慮せず自分の好きなことを言い散らすというあの性格が、どうにもこうにも。。。
このシリーズ、次回があるのかどうかすら不明だが、出来れば続いて欲しいものである。姫宮女史の活躍もかなり見たくなってきた。

5
第20回小説すばる新人賞受賞作。
安土桃山時代に熱い心を持っていたロックバンドのお話である。や、冗談ではなく。
バンドのメンバーは4人。三味線を盗んだ藤次郎と破天荒な踊りの天才ちほ、少々気弱な笛師の小平太と、信長に仕えていて本能寺の変を逃げのびた黒人ドラマーの弥助である。
速いテンポのアフリカンビートと、刻みの早いトッポイ三味線、流れるような横笛のトリオの音楽にのって、ちほの感情を即興で表現するダンスが、五条河原に住み着いていた河原者たちを魅了し、天井人にもその人気振りが届いたのだった。また小屋主(名前失念)の名プロデュースにより、彼らの舞台衣装は時代を先駆けるカブキ者のそれだった。
世の中は、信長の死後、秀吉の天下統一を経て、これ以上下克上を起こさぬよう、人民の身分や職業を制度化していくための締め付けが次々と断行されていった安土桃山時代である。秀吉の無謀な中国遠征、自由貿易への締め付け、石田光成の専横、秀次の悲劇なども絡んで、彼らは常に世の中に挑戦するような型破りなセッションを次々と行い、そのセッションは虐げられ続けている人々の心の叫びにも重なって行くのであった。。。という感じなのだが、根っこは純粋にエンタメ小説である。
出雲のお国や呂宋助左衛門なんかも登場するので、思わず「黄金の日々」を懐かしく思い出したりしながら楽しく読了。
話のテンポも悪くなく、スピード感や勢いがかなりあり、読後感も悪くない。レビューに書いてあるほど悪文とは私は思わなかったし、さくさくと読むことが出来た。
次回作がけっこう楽しみな作家である。

4
クラッシュ・ブレイズの10作目。
今回の主役は映画界の重鎮のあの人で、天使たちもゴジラ夫婦も脇役。ファロット兄弟(?)もばっちり登場するので、ある意味オールスターキャストと言ってよいかと。
毎回そこそこ面白くはあるものの、このシリーズで目指したいところが一体何なのかがよく判らない。。。デル戦とスカウィズの外伝と思って読んでいればいいのかどーなのか、なんともはや。
なお、鈴木理華さんの挿絵は今回も漫画モード。漫画も好きだが小説内ではやっぱり挿絵にして欲しいと思うのは、私だけだろうか?

5
何ともいえない不思議な物語であった。
山に囲まれて朽ち果てた村を巡る物語。山の神と生者と死者と、山に囚われた人々の物語。
分類で言えばホラーに入るだろう。
最初にホラーと知っていたら読まなかったかもしれないが、読んでよかった。
映像が目の前にまざまざと浮んでくるような、怪しくも美しい静謐な世界にどっぷりと浸かり、その世界に魅了された。
私はホラーが苦手なくせに幻想的なあやしの世界が大好きだったりするのだが、そのポイントに見事に合致した、そんなお話であった。

4
近藤さんの梨園シリーズである。
読んだのは図書館借りの単行本だったのだが、ちょうど文庫も出た模様である。こちらの方が今の季節にあった表紙なので、UPにはこちらを選んでみた。
さて、この歌舞伎シリーズだが、シリーズが進むにつれて、ますます気に入ってきた。
出版社がバラバラということもあって、あまりシリーズを宣伝していないようだし、確かに単独でも読める作品ではあるものの、登場人物たちは毎作成長して時間がしっかり経過しているので、なるべく順番に読む方が良いだろう。
女形役者を巡るミステリーが多いのだが、読んでいるうちに女形をもっともっとよく見たいという気持ちになるから不思議である。
次回歌舞伎を見に行くときには、所縁の演目だといいなぁ、なんて思いつつ。

4
北森さんの連作短編集。
副題の通り、今回の舞台は京都嵐山周辺だった。例によって飲み屋が登場し、涎物の京料理が出てくるのも北森さんらしい。らしいといえば、骨董類も登場していた。
主人公が京都でも指折りの貧乏寺である大悲閣千光寺の寺男なのだが、この男、実はもと泥棒だったりする。諸事情により住職に拾われて寺男になったという設定なのだが、この辺の事情がなかなか面白かった。事件の度にヒントを出してくる老住職もなかなかの人物なのである。
あと、毎回登場する女性記者とスチャラカ作家は個人的にはかなりイタダケなかったのだが、彼らのおかげ(?)で陰惨な事件もユーモラスに展開してしまうので、読後感は悪くない。

5
『鹿男あをによし』のリチャード役が面白く、ついつい関連タイトルに惹かれて購入。著者の初回顧録エッセイとのこと。
今まで「アタック25」と「ブックレビュー」の司会者としか思っていなかった児玉さんが元々役者だったとは、正直びっくりだった。それすら知らないで読み始めたので、エッセイの内容そのものが非常に新鮮だった。
おだやかな微笑みのむこうに、このような人生が!−というのが本書の宣伝文句だったが、まさしくその通りの内容だったかと。本当にびっくりするような内容というか今とのギャップにひたすらびっくりというか。。。
それにしても素晴しく読みやすい文章だった。穏やかな口調で、流れるように優しくさらさらと語りかけてくれているため、読んでいるだけで癒されるような気さえしてきて、なんだかとってもアトをひくのである。こういうのを言霊の力というのだろうか。
ということで、噂に高い「寝ても覚めても本の虫」も読んでみなくては、と思っている。

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