ものぐさ日記

読書・映画・旅行・食物・習い事などに関するあれこれを、ものぐさに更新  

books-2008

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梨園−歌舞伎シリーズの第3作目。
季節につられてこの前入手していたのだが、シリーズ物の3作目であることが判明したため、以前の2作をまず読了して、ようやっと着手。
勿論、独立して読んでも問題ないのかもしれないが、続けて読む方が良いに決まっているので、まったく外側に案内がないのはかなり不親切ではないかと思うのだが如何なモノだろうか…と思ったら、どうやら複数の出版社から出ているとのこと。致し方がないということか。
2作目「散りしかたみに」での歌舞伎舞台の描写がかなり気に入っていたので、その辺を期待していたのだが、今回は主に役者の心中とかそういった部分の描写が色々と面白かった。あと芝居のセリフと。
次作「二人道成寺」も入手済みなので、続けてこちらに突入しようかと。

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北森作品を色々と読み始めてみている。
こちらは連作短編集なのと、古本屋で発見したので、とりあえず着手。
骨董屋・雅蘭堂の物語である。いつも開店休業状態の下北沢の骨董屋という設定も面白いし、骨董屋の主人の人柄も良く、骨董業界に蠢く怪しい人種のお話もなるほどそういうものかと思ったりするし、骨董の薀蓄もいろいろあって面白い。が、アルバイト女子がどーにもこーにも。。。アリエナイ_| ̄|○|||
男性が描く女子高生なんて所詮こんなものなのか…と思うと、ちょっとげんなりしてしまう。馬鹿な子ほど可愛いと言っても、限度があるだろうと思うのだが、如何なものだろうか。おそらくこの作品が好きな女性比率は非常に低いのではないかと推測する。と言って言いすぎなら、アルバイト女子が好きな女性比率と言い換えても良い。
話自体が面白いだけに、この点だけがかなり残念だった。

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氷室冴子読本

この前、某所で話題に出たのと、貸していた『銀金』がどっさり戻ってきたのとで、なんとなく未読の古本を購入。
ご本人の責任編集ということだったが、完全なる内輪受け本なので、元ファンとしては、少々というか、かなりイタかった。
一応全作品一覧が載っていたので、自分が全作品制覇していたということが確認出来たのが唯一の成果だったかも。
きっともう書かないんだろうなぁ。。。

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まっきー最新作はエッセイである。
今買えば(たぶん)まっきーのスケスケ栞付き。
昼休みに買って、帰りの電車で前半を読み、残りは自宅で読んだのだが、後半が家で本当に良かった、という位、大笑いしながら読了。電車内なら笑いを堪えるのに一苦労したことだろう。
特に4章が必見。「渡辺篤史ごっこ」と「御器齧り」がツボにはまりまくってしまい、このせいで渡辺篤史とGという文字には異様に敏感になった模様。渡辺篤史はさておき、Gの方はやばい。G8とか、G−SHOCKとかのまったく関係ない文字でもついつい思い出し笑いが起こってしまう自分が怖い(^^;;)
まっきー好きはぜひ読むべし。
でも、外で読むとかなり危険なので、自宅で読むことをお勧めする。

4
梨園シリーズ第二段。
今回は慣れたせいかすんなり読めたのと、歌舞伎の舞台裏や舞台袖での動きは勿論のこと、舞台の描写やその場の雰囲気や色々な構成要素が鮮やかに目の前に現れて来るようで、非常に楽しく読めた。
また今回は舞台に散る桜がポイントとなる話だったので(話中の季節は違えど)なんとなく桜を待つ気分になった。
今回のミステリ設定はそれほど無理もなく、次回も読みたいなと思える内容だったし、久しぶりに着物を着て歌舞伎を見に行きたくなった。
第三弾は『桜姫』である。なんとか季節に間に合って良かった。

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筒井康隆の作品の中で一番好きなのが「家族八景」である。「家族八景」は、おそらく「時をかける少女」の次位にドラマや漫画化されている作品ではないかと思うが、大好きな作品なので、その度にチェックするようにしている。
今回はなんと「花岡ちゃん」や「アレックス・タイムトラベル」の清原なつの御大である。本屋で発見した途端に迷わずお買い上げしてしまった。
筒井ワールドの中を泳ぐ清原テイストの七瀬という、摩訶不思議なコラボを誰が思いついたのか。特にシュールさと可愛らしさを違和感なく融合させてしまうあたりの手腕は、やっぱり清原ワールドならではかと。「七瀬ふたたび」と「エディプスの恋人」も引き続き進めて欲しいものである。

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近藤さんの梨園というか歌舞伎ミステリ第一弾。
季節につられて『桜姫』を買ってしまったら、この歌舞伎シリーズだったということに気付き、順番に読まなくてはということでチェック。
清掃人キリコシリーズとは大分違う傾向のお話だった。
まず第一に、この作品の時代設定がよく判らないのが気持ち悪い。スカアトとかアイスクリイムとか言っている段階で一瞬明治かとも思ったが、電話や新幹線はあるし、マンションやTVもあるし、タクシーにも乗っているので、昭和であることは間違いない。卒業後に就職する女性だけでなく家事手伝いの女性もまだいた頃で、精神科医という職業も登場していた頃。。。おおそよ1970年代あたりで80年代のバブルよりは前というところだろうか?
携帯はまだないようなので、平成ではないだろう、たぶん。でも昭和60年代以降にいわゆる私立探偵がいたのかと言われると、少々想像し難い気がする。(勿論、平成の今でもいるとは思うのだが)
なんてずーーーっと考えながら読んでいたら、いつの間にやら話が終ってしまい、なんだかすっきりしないままになってしまった。。。
以下、ネタバレな感想など。続きを読む

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蓮丈那智フィールドファイル、民俗学ミステリと言われる北森さんのシリーズ作品である。冬狐堂シリーズとこちらとでちょっと悩んだのだが、連作短編集というのもとっかかりとしては良いかと思い、こちらからスタートした。
以前から表紙は知っていて、これを見ただけで禍々しそうだったので『絶対買わない』と思っていた本だったのだが、背に腹は変えられぬと(←大袈裟)購入した。
民俗学ミステリというと、個人的には高田崇史のQEDシリーズが浮んでくるが、あちらのシリーズ中盤以降の無理やり付けたりなミステリとは違い、こちらはミステリとしてもそこそこ楽しる出来だった。
密室ミステリで「ほおぉぉ」と思ったのは実に何年ぶりのことだろうか。中学生時代に『黄色い部屋の謎』や『モルグ街の殺人』に感動して以来のことかもしれない。那智とミクニの女王と下僕というような関係も、女ホームズと助手ワトソンと考えれば、如何にもぴったりとハマっている気がする。とはいえ、色恋の絡む余地はかけらもないのだが(^^;;)。
ミステリ部分も民俗学部分も十分面白いと思うのだが、全編に漂う何とも言えないおどろおどろしさというか禍々しさ加減は、主題が民俗学で殺人が絡むとなれば、どうしても仕方がないことなのだろう。なので、体調が万全の時でないと読むのは少々厳しいかもしれない。
ちなみに後半の話の中には、北村ワールドの住人である陶子や香菜里屋と工藤マスターも登場して来るが、少々微妙な展開に。。。
ということで、とりあえず那智シリーズはここで一旦中断して、今度は『冬狐堂』シリーズに手を出すことに決定した。

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何故か読んだ本と装丁が違う気が……出て間がない筈なのに何故だ。。。
という謎はさておき、普通の人が遭遇する普通でない出来事を綴った連作短編集。
誰もがそこそこの幸福とそこそこの不幸とそこそこの悩みや秘密を持って生きているんだよなーというお話。だから何?と思ってしまうような人(=私)は読んではいけない。
連作短編ということで、登場人物や物語が繋がっているんだろうと思いながらせっせと推理しつつ読んでいたのだが、見事に最後まで全然繋がらず、勝手な思い込みによる努力はまったくの徒労に終った。。。ううむ。

4
シリーズ最新作!
単なる子育て漫画というなかれ。特に妊娠途中の描写や出産中のくだりなどでは絵描きさんならではの生々しい描写が多く、さすがという感じ。特に「甘い物が食べたい」というくだりなぞ、夢に見てしまいそうで恐ろしい(^^;;)
あと自分の妊娠出産なのに、以前の実録お稽古体験記と観察対象へのスタンスがあんまり変わっていなそうなところなんかは、如何にも小栗さんらしいなーと思ったり。
今回も真面目人間トニーのコラムが如何にもという感じで良かった。
途中に産婦人科のお医者さんからのQAなんかもあって、現在進行形で赤ちゃんと向き合っている人へのフォローも忘れない。
本書で作者が最後に言ったセリフが「光陰って矢だよね」だった。
まさにあとがきにふさわしい一言といえよう。

4
友人知人の皆様お勧めの本である。なるほど、予告されていた通り、美味しそうな食べ物ばかりがどんどん登場し、どれもこれもちょっと頑張れば自分でも作れそうな(気がする)物ばかりで、思わず目がクラクラしてしまった。
とりあえず、レタスチャーハンとブランデー梅酒に挑戦しようかと、熟考中。。。
お話の感想を書いてしまうと思いっきりネタバレてしまいそうな気がするので、ここはやはり読んでからのお楽しみとしたい。特に料理好きの人にお勧め。
個人的につき抜けすぎている座付き作家殿が結構お気に入りなので、最後の最後の一文で、思いっきり大笑いしてしまった。なるほど(笑)

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「男女九人 お江戸恋ものがたり」というサブタイトルで連作短編集であった。登場人物の女性陣が好きになれなかったせいか、読後感はいまいちで、まあまあというところだった。
光文社のPR誌『本が好き!』春号インタビューで、畠中さんが本書のコンセプトを「絶対に○○○にならない条件(伏字は適当)で考えた」と、もろバレバレに言ってしまっていたため、読む前から萎えてしまっていたのも敗因だったかもしれない。
あと幽霊を出したら面白いかな、とも考えたんだそうだが、何も無理やり幽霊を出さなくてもというか、安直に幽霊を出さんでも。。。と個人的には思った。
なお、前述のインタビューによると、次回作は明治物らしい。あと新聞連載で武家物をやるかも、とも。今までとは少々毛色が違う話になりそうなので、とりあえず次回作を楽しみに待ちたい。
余談だが、表紙の男がオ○マに思えてならないのは、私だけだろうか。途中まで真剣に男の振りをした女性が出て来るんではと思っていたのだが…(^^;;)

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『香菜里屋』シリーズ第三弾。相変わらずの連作短編集である。
『香菜里屋』という静かで落ち着く雰囲気のあるビアバーで、工藤の供するサービスと美味しい料理に舌鼓を打つうちに、お客はいつしか胸にわだかまっている思いを話してしまい、その中に秘められている謎を工藤が解いてくれるのを待っている、という展開も相変わらずである。
ビールは好きではないものの、度数の高いビールをロックで飲ませる店がもしも本当にあるのであれば、ぜひその味を味わってみたいものである。
過去の主人公達や前回登場した工藤の友人である香月も再び登場している。
『蛍坂』『猫に恩返し』『雪待人』『双貌』『孤拳』ときて、特に気に入ったのが、普段とは少々毛色の違った『猫に恩返し』。たまにはこういう話も良いものである。
『孤拳』のラストではとうとう泣いてしまった。ほろ苦く切ないラストのくだりで工藤が語るその内容がじわじわと心に沁みた。その余韻に浸りながら、ゆっくりと本を置いた。

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『香菜里屋』シリーズ第二弾。相変わらずの連作短編集である。表題作『桜宵』のような春ならではのお話もちらほら。
前回と同様に巻頭の『十五周年』と巻末の『約束』が、同一登場人物の物語で対なっていた。
どのお話も大人のための短編ばかり。自分が高校生の時読んだとしたら、ここまで味わえたかどうかは怪しい気がする。
今回もそれぞれにほろ苦く心に染み入る話ばかりで、悲しい話が多いにも関わらず、読後に心の中が暖かくなってくるのは、マスターである工藤の人柄と『香菜里屋』が醸し出す雰囲気のせいなのかもしれない。
お客の心の状態にあわせて絶妙のタイミングで出てくるお酒と酒肴の素晴しさは前作以上に空腹を誘う内容で、季節柄か無性に桜飯が食べたくなった。
以下、ややネタバレ。続きを読む

5
春めいてきた陽気に浮かれて、以前から気になっていた本を買ってみた。
第52回日本推理作家協会賞、短編および連作短編集部門受賞作とのこと。
三軒茶屋にあるこじんまりしたビアバー「香菜里屋」に集う客が、各々の話の語り部となるワケなのだが、その店のマスターである工藤さんが、みんなに美味しいビールと料理を供しつつ、いつの間にやら鮮やかな推理で謎を解いてしまう、という構成になっている。
どの作品もちょっと切なくてしみじみ感じ入ってしまう良作であった。マスターの気配り具合がまたとても良い感じで、作品全体の何とも言えない調子を整えているように思える。毎回、マスターオススメの涎の出そうな料理が登場するのも楽しい。
次も『桜宵』と、今ならではのタイトルである。とっとと買ってこなくては。
『冬狐堂シリーズ』も以前から積読本にしていたので、こちらに取り掛かるのも楽しみになってきた。

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『チーム・バチスタの栄光』に続く海堂さんの医療モノ第2弾!
というか、バチスタ・スキャンダルから9ヵ月後、愚痴外来田口&ロジカル・モンスター白鳥コンビが帰ってきた!ということで一気読み読了。
今回はなんと、ミステリじゃなくてSFに。。。
SF嫌いな人にはかなり厳しい話だった模様で、密林の評価はメタメタ。個人的には好きな部類の話だったので、こういうのも嫌いじゃないが。
次回作に期待したい。

4
宇江佐さんの連作短編集。
お友達が読んでいたのを見て、購入。
主人公である五郎太は、武士とはいえ、先祖の不始末のせいで一向にうだつのあがらない小普請(家職のみで職なし)の身の上。ややのんびり者でやや朴訥な感じもするけど、頭はそこそこ良くて真面目で根っからの善人で…
こういう主人公って大好きだー!!!
こういう主人公って大好きだー!!!
と、2回叫んでみる。
直前に読んでいたのが落ち込むお話だったので、一気に回復して、幸せモードに頭がスイッチ。最後もすっきりと、良かった良かった。
これでお終いなのがちょっと残念だった。

現代ニッポン人が抱える悩みを、注目の異才が風刺と諧謔で鮮やかに捌いた新奇想小説−というふれこみだったし、本屋のPOPで強力推薦の文が踊っていた本なので買ってみたのだが、正直な感想は『うそつきー!!!』
マイホームから会社まで地獄の通勤時間が1時間50分。毎晩午前様で家には寝に帰るだけという企業戦士のオレとか、モーレツに働いて家庭を顧みないで妻や子供に忘れ去られるオレとか…イタイ、痛すぎる…。正直言って、この本のおかげで一日どよよーん(T-T)。
妻や女性の発言も発想も『男の想像しそうなソレ』だし、あうう。あまりにもイタイ話ばかりで気分が暗〜くなった。これを読んだところで酷い世の中が変わる訳じゃなし、勿論、救いなんてある訳もなし。酷い会社に目に物見せるというお話が2編あったが、それ以外は全部イタ話。
朝の遠距離通勤電車利用者や真面目に一生懸命長時間働いているような人には絶対お勧めできない本。密林の書評を読んでから買えば良かった…。
しばらく有○堂のPOPは信用しないことにケテーイ。

5
あさのさんの短編集である。
野球を愛する人間を巡る10の物語。
天才と呼ばれる者もいれば、補欠選手にすら選ばれないで高校の3年間を終える者もいる。今回は女の子が主人公になる話もあった。全てのお話に共通するのは、みんなが心底野球を好いている、というその1点なのだ。(みんな過疎地の弱小高校という共通点もあるが、それはまた別件と言うことで)
野球は万人が楽しめるスポーツだし、やる方だけでなく見る方も十分楽しめる。まさに『筋書きのないドラマ』なのだということを、久しぶりに思い出した。
はやく文庫になって欲しいものである。
野球を愛する全ての人にお勧めしたい。

5
杉浦さんのエッセイである。
昔懐かしい道具にまつわる色々なトリビアや懐かしい思い出話などを、過去の関連する杉浦作品を交えながら、つらつらと語っている。
ゆたんぽ、手拭、蚊帳、踏み台、蠅帳などなど−文章の中から道具への慈しみの気持ちが立ち上がって来ているのがよく判った。
日常生活の道具というものは、人々の暮らし向き−生活の文化を如実に表す鏡なんだなぁと、今更ながら思う。いま自分くらいの年代までが、こういう懐かしい道具を知る最後の世代なのかもしれない。
それが使われなくなるということは、生活習慣や環境が変わったということに他ならないのだが、様々な便利を手に入れることで、果たして我々は良い方向に変わってきているのだろうか?−なんて思った。

5
会社の後輩から拝借。あまりの面白さに止まらず、朝の通勤と昼休みで上巻一気読み。
借りた下巻を自宅に置いてきていたので、結局、会社帰りに下巻を買って、一日で読み切ってしまった。(結局上巻も自分用に購入)
とにかく文句なしに面白い。
このミス大賞が満場一致で決まったというのも頷ける。
こんなにキャラが立った物語を読むのは久しぶりだった。
現役のお医者様が書かれたというのにもビックリだったが、オペの描写や医療専門用語がザクザク出てくるところなど、やはりお医者様ならではの内容なのだろう。判らない言葉だらけではあったものの、文章の巧さというか、適切な量というか、描写に無駄がないというか、あまり冗長にも苦痛にも感じなかった。映画で言えば、3時間の大作でも体感時間はあっという間、という感じで。
同じ主人公コンビで続編がいくつか出ているようなので、こちらも速攻読まねばなるまいと思っている。
にしても、映画化されて主人公の性別が変わってしまったのには驚いた。ああいう性格を男がやるより女がやる方が世間の共感を得やすいと思ったのだろうが、そう考えたのは絶対男に違いない(←偏見)。
映画の評判の方はどうなのだろうか?

5
創刊から毎号買ってはいるものの、今回は読みどころが多かったのでUPしてみた。
今回は『ファンタジー特集』である。
巻頭を飾った6年ぶりの小野不由実@十二国記の新作『丕緒の鳥』はもとより、『しゃばけ』の新作やら、上橋菜穂子のインタビューやら読みどころが満載だった。
もりみーの短編がファンタジーの括りに入っていたのがやや不可解だったが、相変わらずの京大不思議ワールドであったことは間違いない。あれに比べればまだ恩田陸の連作の方が真っ当なファンタジー寄りだと思うのだが、まあいずれも作品さえ面白ければ、後はどうでも良いことではある。
十二国記の新作掲載の報で、発売前から書店への問い合わせが殺到したことにより、通常部数よりも通常より1万部以上上乗せして、初版7万8000部で発売したとのこと。如何に多くの人が『十二国記』の新作を待ち望んでいたかが判ろうというものである。雑誌のくせに重版もするそうなので、買い損ねてもまだまだ間に合うかと。
yomyomの詳細は新潮社HPにて。

5
たまたま週間アスキー読者だったこともあり、連載当時に読んでいたのだが、後日譚である『バックスぺース』は未読だった。
『ななつのこ』『魔法飛行』に続く、待望久しい駒子シリーズの第3弾であった。
瀬尾さんと駒子を繋いでいるものは『謎』。
クリスマスに偶然瀬尾さんに会った駒子は、瀬尾さんに手紙という『謎』を差し出すのだが…。
手紙や会話の合間で、既知のことや秘することなど、あえて語られることのなかった「スペース」。加納さんが日常の謎を通じて語る人々の想いが、今回も心に滲みた。
感想を書いてしまうとネタバレしてしまうので、あえて書かないが、最後の最後になって全体像を見せてくれる加納さんならではの『魔法の手』はここでも健在である。
そして『バックスペース』。
このお話だけでも十分楽しめると思うが、やはり『ななつのこ』と『魔法飛行』を読んだ後で読むことを強くオススメする。
読んで絶対後悔しないと力を入れて保証しよう。

4
パトリス・ジュリアンは料理本以外にも生活スタイルなどに関する本を以前から何冊も出していて、これもその系統の本である。もっとも最近は禅や精進料理の本まで出していたようで、そちらの方もそのうち読んでみようかと思っている。個人的なオススメ本は『生活はアート』 (幻冬舎文庫)で、既に文庫化されたようなので、興味がある方はご一読のほど。
本書は、日頃、生活に不満やストレスを感じている人達へのアドヴァイス−本人の思考を転換することで、如何に豊かに楽しく暮らして行けるようになるのか、が書かれている。如何にもパトリスさんらしい内容だが、文庫のせいか、いつもより気軽な感じに書いてあるような気もした。

b1aeffbf.jpgちなみに、sasaeru文庫は成美堂出版が新しく出したシリーズらしい。
Suicaのさかざきさんが描いた小鳥がキャラクターになっていた。
ぶっちゃけ、この栞目当てに買ったと言っても過言ではなかったりするw。
にしても妙にフクフクとした小鳥である。
下を向いた時の首の下に溜まるお肉が、我が身を見ているような気がして少々イタイ…(^^;;)。

4
守り人シリーズでブレイクした大学上橋さんの文化人類学者としての著作である。
サブタイトルの通り、小さな町に暮らす先住民としてのアボリジニについて書かれていた。
学生時代に好きだったファンタジーで、ウィラン・サーガというアボリジニが主人公になっている物語があるのだが、それを想像していたら、まったく違っていた。そういう古のアボリジニではなく、現代社会の一員として生きている、近所のアボリジニを観察した本なのである。『精霊の木』はこういう考察の上に作られたんだな、ということがよく判った。
『ゲド戦記』のル=グインも彼女の父が文化人類学者だったことから、幼少時にネイティブ・インディアン達と一緒に暮らした経験があるのだが、そんなことを思い出しつつ、本書を読み終えた。なかなか考えさせられる一冊であった。
ちなみに、本書は現在絶版なのだが、密林の古書値段は1万〜3万!
ということで、今回は図書館のお世話に。図書館バンザイ。

4
会社帰りにタイトルに惹かれて何となく購入。
使いたくてもどう使えば良いのか判らなかった調味料にチャレンジしたり、今まで使っていた調味料の応用を教えて貰ったりと、思った以上に良い本だった。
特に凄いと思ったのが、お手軽コンビニ商品やレトルト商品をランクアップさせる知識。まあ出てくる出てくる…知識の宝庫である。
なので、本書はある意味独身男性向きかと。
ということで、R25に掲載したら大人気になるのではなかろうか、なんて思った。

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ホテルを舞台に20人の作家が描く短編競作集である。
子供の頃から黄昏や宵闇や逢魔が時などの昼と夜の曖昧な境目が大好きだった。その言葉の持つ雰囲気やその韻も含めて、妙に引きつけられるのである。そんな雰囲気をたっぷり醸し出したホテルに絡む人間模様を描いた連作短編集が本書である。
ホテル・サンシャイン−かつての栄光や幸せといった古き追憶の残滓がときおり蜃気楼のように見える場所。人はそれを「黄昏ホテル」と呼ぶ。人気を誇ったホテルも今は見る影もない。そのホテルのある時代、あるひと時の人間ドラマを、ホテルの風景とともに描く−という感じの宣伝文句がついていた。そういうノスタルジックな物語が大好きな私には、とても心に染み入る、良い作品集だった。
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4
このミス大賞受賞作。この十年で一番美味しいミステリー、とは大森望さんの弁だが、確かに美食満載の内容だった。
ミステリとしてはどうか、とか、賛否両論のラストだったりもしているが、個人的には良質の小説でさえあれば何の問題もないので、ミステリ要素があろうがなかろうが、ぶっちゃけどーでも良かったりする。ラストも食べ物ネタならきっとこうなるだろう、という予想通りだったので、それを友人に言ったら「黒いよあんた」と言われた…。
美食の読み物として見た場合には、文句なしに面白かった。レストラン経営の苦労とか、ワインと食べ物の相性の話とか、食べ物好きの方には結構オススメな小説ではなかろうか。
逆に言えば、食べ物に興味がない人には、あんまりオススメ出来ないかも。

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連作物だったのでチェック。
江戸両国にある薬種問屋の大店の主人が隠居後の趣味代わりに始めたのは、辻占まがいの「聞き屋」であった。この「聞き屋」とは、通りに机と椅子を置き、訪れる人の話をただ聞いてあげるという商いである。 お代は志で結構というのも、大店のご隠居ならではといえよう。
とはいえ、誰かに話を聞いて欲しいという人はいつの時代にもあまたいるもの。与平の所に持ち込まれるのは、良い話もあれば、理不尽な話や奇妙な話など様々であった。語られるお話は毎回異なるが、平行して与平自身が隠し持っている過去のしがらみが徐々に浮き上がってきて、そちらの行方も気になりながら、お話は粛々と進んでいく。
悪人のままの人、悪人にはなりきれない人、悪人になってしまった人など、人それぞれ。
これを現代に置き換えたらどうなるんだろうか、なんてちょっと思った。
なかなかの秀作かと。

3
もじり元が好きだったのでついつい購入。
初桜庭作品だったが、買った当時は気付いておらず。そういえば買ってたじゃんと思い出し、未読の山から引っ張り出して読んでみた。
ちょっとしりきれトンボな印象だが、まあこんなもんか。
あさのあつこの時もちょっと思ったのだが、やっぱり少女ってなんとも切ない・・・

5
やっとこ文庫化。
『ささらさや』の続編ではないが、関連本と言っていいだろう。
主人公は中学を卒業したばかりの女の子だが、今時の平和ボケした子供達には想像も付かないほど悲惨な運命を味わって、住む場所も親も失った状態で佐々良にやってくる−というのが今回のはじまり。
『ささらさや』の後日譚が見たい人にも、そうでない人にも、ぜひ読んで欲しい一冊である。
但し、特に後半では号泣する可能性があるので、自宅でひっそり読むことをお勧めする。また出来れば先に『ささらさや』を読んでからの方が、より周囲の背景が理解が出来て良いかと。
まさに加納さんらしいお話といえよう。
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4
文庫化されたので購入。
帰宅の電車の中で半分読み、残りは自宅でワッハッハと笑いながら読みきった。
シモネッタの知人の皆様はやはり抱腹絶倒な人ばかり。周囲にラテン系の友人がいたら、さぞかし楽しかろう。
短い話が多いので、まさに電車内読書向きなのだが、途中ガハガハ笑ってしまう可能性が大なので、自宅で読んだ方が良いかもしれない。おまけに全編下ネタ満載なので、途中で周囲に見られると、説明が必要になりそうでもある(笑)
巻末に盟友だった米原万里さんとの対談が載っていて、当時の彼女の元気な言葉を読むことが出来る。
友人から警告を受けていたにも関わらず、あとがきを読んで号泣してしまった。。。米原ファンの方はあとがきを外で読むべからず。

4
宇江佐さんのエッセイ集。
小説とは大分違う印象で、まさに「年相応のお方」という感じで、うちにもこういう叔母がごろごろいたなぁと。。。
以前どこかの巻末で読んだ阿刀田さんの解説「何度も賞を逃して申し訳ない気分がした」のあたりが蘇って来たりもした。
読んでいて一番驚愕したのは、アボガド。
アボガドって、果物だったんだ。。。

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長野県安曇野市の緑豊かな森の中にある「穂高養生園」のご飯レシピである。一度行きたいと思っていたのだが、まずは噂のレシピ・チェックをば。見ているだけでも癒される料理の数々である。
「穂高養生園」はホリスティック・ヘルス・リトリートを謳っている宿泊施設で、「自分の健康は自分で守る」をモットーに、心と体の総合的なケアを行う施設だそうだ。ここに来る人はみな毎日の忙しさで疲れた体を癒したり、ストレスで崩れた体調を自助努力で治すためなどに来園する。ヨガやデトックスやアロマトリートメントのプログラムをはじめ、森林療法や瞑想など個人が主催するワークショップも用意されている。
ここでの宿泊は1泊2食付(1日2食腹8分目が基本)で1万円。これには森林浴や温泉やヨガやリラクゼーションがついている。
今年のGWあたりを狙って行ってみたいかなと思っている。

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f0540d8c.jpgグイン・サーガの119巻目。
この言葉がタイトルになるとは。。。と思いつつ、最後まで読めばまさにこのタイトルでOKなのだが、それもある意味驚愕だったかと。
例によって例のあとがきで、昨年末の体調不良について触れていたが、いまこの2月現在退院して一応無事であることが夫君の日記や本人のHPからも判っているので、いま読む分には、まあ特に問題はないものの、そういう情報を知らない人にとってはこれまた驚愕な報告であろう。グインを書き終わるまでは何とかお元気でいて貰いたいものだが、あと何年続くのか、っていうか既に次回が120巻であることを思えば、果たして何巻で終るのかすら−既に200巻は行きそうな勢いなので−もう今となってはよく判らない。。。
以下ネタバレまくり。続きを読む

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めちゃめちゃ楽しー!!!
次々と頁を繰りながら大興奮してしまった。
1/4サイズのミニチュア六條院というか、ようするに源氏物語の舞台と言う設定で、平安時代の建物や調度品や装束、生活の数々をビジュアルで見せてくれる本なのである。御座やら御帳台やら茵(しとね)やら御簾やら几帳(きちょう)やらやら、源氏物語絵巻の世界が色鮮やかに甦って、その綺麗なことといったら!
和の調和って素晴しいとしみじみしてしまった。
この本、カラー満載で大型なので、まともに買うと美術館のカタログ並みで3千円超なのだが、めでたく美麗な古本を2千円でゲト。
とはいえ、これなら3千円でもお買い得かと(^-^)
次回京都に行く際には、絶対に民俗資料博物館に行くこと、と心のメモに残しておこう。
紹介多謝デス>ちづさん。
平安宮廷生活のファンなら買うべーし!

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ル=グウィンのファンタジー・SF論である。
この前読んだ「ファンタジーと言葉」より本書の方が刊行は古いが、あちらと同様に色々な箇所で語った講演会やエッセイをまとめたもの。
基本的には話言葉で書いてあるにも関わらず、相変わらずさらりとは読み進められず、熟読&熟考を必要とする内容であった。
本書が最初にアメリカで出版されたのは1979年だったそうだが、その後10年たって大幅改訂版を出す際に、以前の内容は削除せず「あの意見は、今では間違っていたと思っている」という感じで、補注を付けて現在の心境を書いているのが、とても彼女らしいという気がした。
ル=グウィンは、ファンタジーと言う枠組みの中で、単なる「善悪」の物差しだけではなく、人間の「光と闇」の部分を併せて表現することが重要であると語っている。また、文章の流れ−韻や抑揚−も物語の構成上、非常に重要な要素であることを強調している。それはまさに『ゲド戦記』の『影との戦い』などの作品が表現している内容といえよう。
また『ゲド戦記』の世界である「アースシー」の着想についても色々と語っているのだが、彼女がどうやって「アースシー」を想像していったか(想像していかなかったかと言う方が正しいのかもしれないが)は、物書きの想像心理をうかがい知る上で、非常に興味深い内容であった。続きを読む

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宇江佐さんの江戸物語。これまた大当たり。なのに表紙が……で、かなり勿体ない気も。
「おろく医者」とは今で言う検死官のことである。
お医者はお医者でももっぱら死人(おろく)専門で、同心や岡っ引きに呼ばれて現場へ急行し、仏さんの遺体や死に様を見て推定死亡時刻や自殺か他殺かを判断したりする役目を担っていたのが、今回の主人公−美馬正哲なのだった。
勿論、当時はまだそういう専門職があった訳ではなかった(と思われる)ため、こういう仕事も大した実入りにはならず、実際には産婆の奥方の「おあし」で生活していたという設定なのが、これまたなかなか面白い。
主人公は杉田玄白が『解体新書』を翻訳した年に医者の家に生まれ、長じて長崎で医学を学び、花岡青洲や平賀源内が生きていた時代に活躍したという設定である。当時は遺体を解剖するにも幕府の許可が必要だったらしい。小説内には出てこないが、死因に不審な所があった場合には、墓から死体を掘り出すようなことまでしたとのこと。江戸時代の殺人事件もそれなりに秩序だったお調べがされていたということだろう。
こういうお医者さまが、本当にいたとしたら……もしもの話ではあるものの、もっともっと続きを読みたい、と思わせられる物語であった。

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ナンシー・ドルー。
この名前をいままで何度聞いたことだろう。
過去読んだ数々の物語の中で、作者が語るエッセイの中で、探偵物ベストの中で、この有名な少女探偵の名前はそれこそ何度も何度も登場していた。それだけ古典作品だったのである。それにも関わらず、不覚にも未読だったため、今回、本屋の平棚で記念すべき第一作目の新訳版を発見して、早速購入してみる気になったのだった。
表紙を見てもなんとなく判るかと思うが、この作品は、元々、児童向けだったらしい。なので、ミステリと言っても、殺人も出てこず、謎を解くにしてもある意味都合良く話は進んでいくのだが、行動力に富んだお転婆娘(既に死語?)が世の中の悪を懲らしめ弱きを助けつつ活躍するという内容は、ちょっと水戸黄門的かもしれない。
もちろん勧善懲悪のストーリーなので、安心して読め、読後はすっきり、という感じかと。なお、この第一作目から既に80年近くたっているにも関わらず、シリーズは未だに続いているというからビックリである。それだけ多くの人に愛され続けているということかと思うが、その底力たるや。。。なお、主人公は永遠に18歳らしい。
作者はペリー・ローダンと同じく集団の総称とのこと。
興味がある方は、一度、読んでみては如何だろうか?

4
ル=グウィン女史のエッセイ集である。
じっくり考えながら読まないとなかなか読み進むことが出来ない本であった。
ル=グウィン女史は、人類学者の父(カリフォルニア大学の人類学部を創設された方とのこと)と作家の母(ネイティブアメリカンの伝記作家)を持ち、幼少の頃の両親の休暇時には、ナパ・バレーにてネイティブ・アメリカン達とその研究を行う人類学者達に囲まれて育ったらしい。
本書には講演時のテキストも多く収録されているが、当時の両親の思い出や一緒に暮らしたネイティブ・インディアン達の思い出話なども非常に興味深いものだった。
数年前にはゲド戦記の新作を出し、御年80歳になった今でも日常的にPCを駆使して電子媒体と書物の違いを述べたりロープレゲームの話題を出したりするなど、とても高齢とは思えない活動ぶりである。
彼女にとっての「言葉」は「音」と切り離して考えられない物であり、その抑揚やリズムは、物語を語る上で非常に大き大事な位置をしめていることはゲド戦記を読んでもよく判るが、世界は違えど、言霊の重要さをよく把握していたからこそ、あのような物語が出来上がったのだろう。残念ながらリズムと抑揚に関する部分は英語でないと理解が難しいという判断から、今回の訳書中にはあまり入っていないらしい。原書で読めたらいいのに…とかなり残念に思った。
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5
声優なんていう職業がまだ確立されておらず、字幕放送や二カ国語放送などない時代に、海外TVドラマや洋画の吹替(アテレコ)をやっていた方々に、吹替マニアのとりさんがインタビューされた物をまとめた本である。
コロンボは小池朝雄さんじゃなきゃ嫌だし、ホームズは露口茂さん、イーストウッドは山田康雄さん、サマンサは北浜晴子さんじゃなきゃ暴れてやるー、なんていう洋物(外画)ドラマのフィックス(はまり役)に拘る見方をしていた人のための大事な大事な本と言えよう。
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4
重っ! そして、高っ!
でもついつい買ってしまったというFF7好きの悲しき性よよよ。。。
おまけにハードカバーなので無理なく自立
つい買ってしまったものの、コンプリするには以前のアルティマニアで充分だろう。
というワケでアルティマニアと内容がかなり重複しているが、こちらはファミ通本なので、その辺は仕方ないのか…。場面のセリフや絵コンテがある分、こちらに+αがある気もするが、とにかく重くて字も細かい(詰め込み過ぎ)ので、攻略本として側に置くのは厳しいかも。
読むのにはある意味気力が必要である。
ちなみに手をケガしている人向きの本ではない(^^;;)

5
ちづさんオススメの宇江佐真理である。
深川を舞台に、市井の人々の胸にひそむ切ない想いを描く、珠玉の短篇集、とト書きにあるが、まさにその通り。
どのお話もしみじみと面白かった。
「下駄屋おけい」が一番好きだが、「さびしい水音」がなんとも切なく心に滲みた。
吉川英治文学新人賞受賞作とのこと。
阿刀田高の解説も面白い。
オススメ!

4
キリコ@清掃人シリーズ。
日常の謎を清掃人キリコが解くというスタイルは相変わらずで、今回も面白かった。
病院の魔女編がキリコのその後を伺わせて、ちょっと切なかったが、事件を解決するだけでなく、その周囲の問題も軽くなっているお話が多いので、救いのあるミステリとして、かなり気に入っているシリーズである。

5
ペンギンはがき〈2〉やっと発見。
この片足あげている姿の可愛いこと!
購入理由はもはや不要かと。

4
直木賞作家によるワインをモチーフにした短編競作集である。
すがえあさまの所でチェック。
以下個別にコメントとワインのお値段など。
1.伊集院静「パリの小鳥屋」
表題に関する話は良かったが、冒頭の大学時代の女性の話はまったくもって不要かと。
Perrier Jouet, Belle Epoque 1969
現在1万円程度。
2.江国香織「壬生夫妻」
あまりにも同感するところが多すぎて怖いお話。。。
Chateau Margaux 1982
現在20万円程度。
3.小池真理子「過ぎし者の標」
切なくて悲しい思い出。でもこれが一番好きかも。
Romanee-Conti 1955
ビンテージでなくても3桁万円が普通。
4.佐藤賢一「女王」
本当にこんなんだったか、と思わせるところがナイス。
Chateau Lafite-Rothschild
16世紀のが残っているはずもなし。ましてや日本にをや。
1870年のマグナムボトルが楽天に出ていたが1千万円だった。
あり得ない。。。
5.藤原伊織「オルゴール」(遺作)
Chateau Lagrange 2003
作品を読めば判る通り、やっと手が出るワインが登場!
楽天で5千円程度。

一条天皇と后たちのものがたり−という副題がついているが、まさにその通り。
平安時代好きの私にとっては、とても楽しい本だった。友人からの借り本なのだが、これは買わねば、と思った。
小さい頃から枕草子が大好きだった。それは子供の頃大好きだった大和和紀の『ラブパック』という漫画の影響が大きかったこともある。枕草子は漫画の中の世界と同様に生き生きとした平安の宮廷世界を鮮やかに教えてくれるお話だった。
子供の頃から百人一首は親戚の集まりでは人気の娯楽だったし、平安時代の言葉や文化や風俗については、時代劇と同様にかなり馴染みのあるものだったのである。
というわけで、清少納言の薫陶よろしく、中宮定子や一条天皇の仲の良さをいやという程刷り込まれていたため、定子の晩年の行は、判っていたこととはいえ、やはりかなり胸に堪えた。
晩年の清少納言が結構幸せだったのでは、と書いてくれていたのが嬉しかった。続きを読む

4
垣野内版ドラ避けお涼サマシリーズも、もう9巻。 カナダの黒蜘蛛島<後編>である。 久しぶりに読んで、お涼サマの迷言「たまごで生んでやる!」はここだったのかと心にメモ。 今夏、アニメ化されるらしい。 アクションシーンがちょっと楽しみだが、泉田警部補の声が気になるところ。富山敬さん亡き今となっては、うーむむむというところなのだった。 漫画はあまり政治的毒舌が入らないのと、泉田警部の活躍がビジュアルで見られる大事なポイントなので、もっと続けて欲しいものである。

5
村上豊さんの絵がポイント。
とても素敵な絵草紙に仕上がっている。
以前の天野さんとのコラボ(鬼譚草紙)も怪しげで良かったが、文春版でいつも絵を描いている村上さんの少々コミカルな鬼達の姿も、これまた趣があって、如何にも『陰陽師』らしく大好きである。

5
なんともじんわりと心に染みいる1冊であった。
すぐに読めるが、じっくりゆっくりと文章を噛みしめながら読んで欲しいお話である。
いしいさんも追っかけ作家のひとりだが、この本は特にお勧めかと。

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